Shitennoji University

社会学科4年間の学びとカリキュラム

4年間の学び

社会学科は、まるで複数の学科が一つになったような豊富な領域を学べる場所です。各自が自分の興味や関心に沿って課題を見つけ、深く掘り下げていくことが可能です。自由に選べる「人間・社会」「地域・メディア」「心理」「歴史」の4つのコースが、それぞれの学びの道を拓きます。

自身の興味や目的に合わせて幅広く学べる「4コース制」

時代は不確実。世界を見渡すまなざしを持とう。

不況、戦争、疫病......21世紀は不確実性に満ちた時代です。これを乗り越えるには、歴史、世界、人間、社会について深く理解することが求められます。1年次では社会学、心理学、歴史学を学び、全体を俯瞰する視点と自分の関心を発見します。その後、2年次以降で自分の関心に沿って4つのコースから科目を選択します。専門家をめざすもよし、幅広い視野を持つゼネラリストをめざすもよしです。

よりよい社会を築くための、確実なスキルを身につけよう。

良い社会を築くには、常識を疑い、人と世界を正確に理解するスキルが必要です。3年次からはゼミに参加し、実験、アンケート、フィールドワーク、インタビュー、史料講読などの専門技術を学び、卒業研究を通じて実践します。認定心理士、社会調査士、博物館学芸員などの資格取得の機会も提供されます。

それぞれの「自分らしさ」を支援するサポート体制

社会学科では、自由の中で各自の「自分らしさ」を見つけることを重視しています。興味や進路に応じて多様な選択肢を用意していますが、すべてが学生の自己責任というわけではありません。1年次からの担任制度や、生活とキャリアをサポートするスタッフが、各人の個性を尊重しつつ、温かい支援を提供します。

主な授業紹介・時間割例

主な授業紹介

人間・社会コース

家族社会学

家族は皆さんにとってどんな意味を持つでしょうか?この授業では、社会学的視点を用いて、現代の家族について深く考えます。統計データや映像資料を分析しながら、家族と社会の関係や現代家族の課題を学びます。授業では、家族に関する具体的なテーマを設定し、文献調査やデータ分析を行います。めざすのは、多様な視点と実践的な問題解決能力の獲得です。

心理コース

心理学基礎実験Ⅱ

心理学とは、一体どんな学問でしょうか?実際には、心理学は他人の心を読むことではありません。特に実験心理学では、一般的な心理傾向を実験を通して検証します。これにより、人の心理を数値化し分析し、心理的な傾向を明らかにしていきます。この授業では、心理学の様々なテーマについて学び、実験の基礎からレポートの書き方まで、他の学生と共に実践的に習得していきます。

地域・メディアコース

環境社会学

「エコな選択」という常識は、本当に常に正しいのでしょうか?私たちは自然環境と多様な関わりの中で暮らしています。この授業では、世界遺産から地元の小川まで、様々な例を通して、人々の環境への関わり方を学びます。何が「良い環境」か、誰がそれを決めるべきかを考察し、社会学的な視点から環境問題にアプローチします。これにより、私たちの選択肢を広げていきます。

歴史コース

地理歴史教科教育法

この授業は高校地理歴史の教員免許取得に関連します。地理、世界史、日本史の授業作りを実践的に学びます。従来の地理歴史科の授業は教員主導で進められがちですが、これからの教育では生徒が自ら問題を解決する力を養うことが重要です。授業での受け身の学習から脱却し、教員としてどのような教育を行いたいかを考え、それに基づいた授業作りを目指します。

時間割(2年生の例)

 
1       アジア史  
2   社会意識論 英語Ⅳ   基礎演習Ⅱ
3     カウンセリング
理論
家族関係論 基礎統計学
4 国際経済論 日本史研究Ⅱ   人格心理学 キャリア
マネジメントⅡ
5 ポピュラー
音楽論
  文化人類学    

ゼミ紹介

産業社会学ゼミ

進路を考える際、自己紹介が必要になることが多いです。「あなたは誰?」という問いに、私自身も長く答えを探していました。社会学者としての自分に気づくまで、数多くの挑戦がありました。社会学は、個性を尊重する学問です。ゼミでは、社会学を実践的なスキルとして学び、それを社会で活用することをめざします。重要なのは、研究テーマを見つけることです。基本は「社会学的」であれば、あとは自由に探究してください。他の人のテーマを参考にしながら、自分と社会について深く考えてみましょう。

臨床心理学ゼミ

臨床心理学は、心理的困難を抱える人々を支援する方法を学ぶ学問です。こころの病と聞くと遠い存在に感じられるかもしれませんが、誰もが何らかの悩みを抱え、大学を卒業して社会人になると、予期せぬ心理的な困難に直面する可能性が高いです。臨床心理学ゼミでは、こころの病、ストレスマネジメント、災害トラウマとレジリエンス、発達障害など、多岐にわたるトピックを扱います。グループで文献を調査し発表した後、各自が関心を持ったテーマについて、文献研究や質問紙調査、インタビュー調査を行いながら卒業研究を進めます。日常で感じた疑問やもっと知りたいと思うことを大切にして、学びを深めていきます。

文化人類学ゼミ

文化人類学は、文化を生きる人間を研究の中心に置きます。異文化をフィールドワークを通じて学び、「人間とは何か」を探究します。フィールドワークは、他者について理解を深める実践であり、世界の不思議さや生命の素晴らしさに驚く過程です。ゼミでは、ディスカッションを通じて身近な異文化を探究し、論文を書き進めます。学生たちは「アイドルとの関係性」、「ペットとの共生」、「ファッションの魅力」、「歩行の意義」など、多彩なテーマを研究しています。

日本史学ゼミ

社会学や心理学が現代社会を横軸で捉えるのに対し、歴史学は過去から現代を見る縦軸の視点を提供します。縦軸で考える際には、現代の価値観に囚われず、過去をその時代のままに実証的に理解することが重要です。学生は、鎌倉北条氏や戦国時代の茶道、遊郭史、明治時代の服飾史など、様々なテーマを選び研究を進めます。図書館を利用して文献を探し、読解することで、研究能力を養います。これにより、現代では考えられない過去の価値観に触れ、歴史をより深く理解します。ゼミでは、大学の古文書などの実物資料にも触れる機会があります。これを通じて、異なる価値観と出会う経験を得られるでしょう。