Shitennoji University
近年、毎年のように大きな災害につながる豪雨や台風だけでなく、日本全国にわたって大地震が懸念され、日常生活において、常にさまざまな災害に対する備えが求められています。それは、防災に関する知識を身につけるだけでなく、災害時などにおいて主体的に判断し、行動できるように備えておくことも必要です。その際に、一人ひとりにどのような役割があり、何をどのように捉え、行動や社会参画につなげていくのかについて学んでおくことが重要になります。
将来教員をめざす教育学部 教育学科 学校教育コースの学生として、社会や教育現場で求められる防災教育とはどのような教育であるのか、また、多様な人々とのつながりという観点から、どのように防災・減災や復興にかかわっていけばよいのかについて、2024年の冬学期となる9月26日(木)から12月26日(木)までの3か月間、地元・羽曳野市と大阪南消防組合 柏羽藤消防署と協働で、学校教育における災害発生時の防災教育探究学習を実施しました。
防災教育シンポジウムの事前学習として、『東日本大震災での事実から学ぶべきこと』『「学校保健」の意味から防災をどのように捉えるか』『地震のメカニズム』など、学校教育・保健教育・地学といった多様な専門分野をもつ学校教育コースの教員がリレートークを行い、防災を考える上でさまざまなテーマや視点、立場があることの重要性について学びました。
防災教育シンポジウム当日は、大阪南消防局の消防士と羽曳野市役所危機管理課の職員を講師にお招きし、「主体的に判断し、行動することのできる子どもを育成する防災教育とは」をテーマに、震災の実際の現場での経験談なども交えながら「自助」「共助」「公助」の重要性を考えるとともに、学校教員は守られる立場だけでなく守る立場でもあることなど、一人ひとりが防災についてこれまでとはちがった関わり方があることに気づくきっかけになりました。
今回の「防災教育」を考えるにあたり、学生が四天王寺大学にいるときに大規模災害が起こったら・・・という観点で、四天王寺大学の防災体制や防災計画について職員の方から説明をしていただきました。また、備蓄倉庫見学をおこない、どこにどのようなものがどれだけ備蓄されているのかを実際に見学しました。
6号館地下1階倉庫(防災備蓄品)、事務局棟地下1階倉庫(防災備蓄品)、総合体育館(AED/担架)、7号館付近(防災トイレ/防災ベンチ)など、甲子園球場6個分もある広大なキャンパスに点在しています。
文献の読み方や探し方、発表の仕方などのアカデミック・スキルの基礎を身につけ、防災をテーマとして、個人の興味・関心に基づいて学びを深めるとともに、その成果をグループ共同研究の形で協働しながら学びを深めていきました。また、中間発表会では各グループが互いに講評し合い、質疑応答やコメントをふまえて探究を進め、防災に関する知識とさまざまな視点を身につけることができました。
今回の防災教育の総まとめとして、大阪南消防局と羽曳野市役所危機管理課の方々をお招きし、各クラスの代表グループによる発表をおこないました。副学長の和田先生と教育学部長の佐藤先生にも来ていただいて、発表に対する講評をしていただきました。充実した発表内容に加え、講師の先生方の講評を聞くことを通して、防災についての知識を深めるとともに、防災への関わり方について学ぶことができました。