食を通じたwell-beingを考え続ける|短期大学部 ライフデザイン学科 谷口美佳教授インタビュー

この記事をシェア
LINE
Facebook
X

日常生活と切り離せない「食」。ライフデザイン学科で食を中心に教えている谷口先生は、「生きている上で欠かせないテーマを学んでいる、という意識を学生に伝えていきたい」と語ります。地域と連携したイタリア野菜のブランド化や商品化、楽しさをベースにした授業について伺いました。

ヒト・モノ・コトからライフデザインを学ぶ

短期大学部ライフデザイン学科のフードフィールドで「食」全般について教えていて、栄養学や食品衛生学などの講義から調理実習も担当しています。食は健康にも関係するので、「トータルビューティー」というフィールドでは正しいダイエットについても食と運動の両面から教えています。ゼミの活動として地域連携活動にも力を入れていて、羽曳野市の夏休み企画で子どもとお菓子づくりをしたり、児童養護施設で料理教室を開いたり、学生と共にレシピ作成や調理指導もしています。

ライフデザイン学科の学びは多岐に渡るその広さがメリットでもあるんですが、授業で教えられる知識・技術の量は限られるので、地域や企業との関わり方を通じてライフデザインを学んでもらえればと考えています。

学生同士も活性化した企業コラボ

2021年には地元企業の幸南食糧(株)さんとJA大阪市さんとのご縁があり、「大阪生まれのトレビスリゾット」の開発を行いました。その時はちょうどコロナ禍で飲食店が営業できず、生産されたイタリア野菜が行き場を失っていたんです。そこで、「一緒に商品開発しましょう」とお声がけいただき、商品開発からネーミングやパッケージデザインにも関わりました。

とても印象深かったのは、コロナ禍で遠隔授業が中心だったのでグループワークするときも学生同士が敬語だったことです。仕方のないことではあったんですが、この商品開発をきっかけに、工場見学や商品開発でとても学生が楽しそうに取り組んでくれて嬉しかったですね!翌年もコラボさせてもらい、フェンネルスープやケールポタージュを開発し、学生のイラストがパッケージに使用されましたね。

実践からの学びを卒業後にも役立てて欲しい

商品開発ってアイデアを出すことまではできても、実際に商品化することが難しいので学生にとっても良い経験になりましたね。また、地元のスーパーにも陳列してもらい、最初の生産者さん〜生活者の方が手に取るまで携われるという機会に恵まれました。

ライフデザイン学科は多数のフィールドを学ぶことができますが、その一つひとつは点でしかなく机の上の勉強だけではやはり限界があります。なので、企業さんとコミュニケーションが取れる機会や学生同士のやり取りが活性化し、一つの点が線になり面になっていくことはとても重要ですね。学生には「ライフデザインとは、より良い人生を送るために考え続けること」と話していますが、短期大学での学びは卒業がゴールではありません。ここでの学びが、その先の長い人生において「より良い人生を考えることのできる力」につながるものであって欲しいと思っています。

「楽しさ」を原動力にして欲しい

私が教えている調理実習は2時限連続で学生たちもクタクタになる授業です。なので、終わった後には「料理がこんなに大変だと思わなかった」「毎食作ってくれているお母さんには感謝しかない」といった感想がたくさん出てきます。やはり自分で手を動かしてみると実感するようですね。ベストティーチャー賞をいただいた「食文化論」という授業も、毎回授業ごとに学生にリフレクションペーパーを書いてもらうんですが、普段は意識しない食文化の意味に対する学生の気づきがすごく多い印象でした。

でも、どんな授業も学生たちには自発的に楽しんで経験して欲しいな、という思いがあります。自分の興味や関心があることに対する学生の集中力は素晴らしく、本当に楽しそうで目の輝きからして違います。私も、料理上手な母がその楽しさを感じさせてくれていたのがこの道に進んだきっかけになっていると思います。何より自分自身が楽しくないことはきっとできないので、学生たちと一緒になってワクワクできたらいいなって思いますね。

WRITER
谷口 美佳 / たにぐち みか

所属:短期大学部 ライフデザイン学科
担当講義:基礎栄養学 / スポーツと栄養 / フードデザイン実習 / 食品の安全と衛生
研究分野:生活科学、食育、食文化

関連リンク
四天王寺大学公式サイト:短期大学部 ライフデザイン学科
  • ホーム
  • 教育学部 佐藤美子教授インタビュー|理数教員免許が取れる!西日本私大初の教育学部