教育学部 佐藤美子教授インタビュー|理数教員免許が取れる!西日本私大初の教育学部

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2024年4月から、四天王寺大学では中学・高校の数学に加え、新たに中学・高校の理科の教員免許も取得可能になりました。そこで今回、教育学部で理科の教育法や科学探究をはじめとした授業を担当する佐藤美子(さとう・よしこ)先生にお話しを伺いました。

理科の先生になりたい人も、科学が好きな人も、大学での学びを知るきっかけにもなるかもしれません!

教育学部で理系の教員免許を取るメリットって?

皆さん意外に思われるかもしれませんが、これまで西日本の私立大学・教育学部で、中学・高校の数学と理科4種類の教員免許を取得できるところはありませんでした。今年4月から四天王寺大学が西日本の私立大学で初めて取得可能になります。

理系学部に進学して先生を目指す学生はこれまでにもいましたが、

・専門科目中心で教育系の学びが不足
・実習や教員採用試験のサポート体制が心配
・先生をめざす人が少なく、1人で学びを進める必要がある 

といった悩みの声もよく耳にしてきました。まさにこういった悩みに応えられるのが、教育学部で教員免許を取るメリットだと言えるでしょうね。

教育学部には「教育」に関するカリキュラムがもちろん充実していますし、周囲は教員をめざす学生ばかりなので、同じ夢を持つ仲間と切磋琢磨しながら「なりたい先生」に向かって学修できる環境が整っています。四天王寺大学の教育学部では、1年次から『ハロースクール』という教育現場を体験する授業もあり、実習に向けてより実践的な経験を積み重ねることができます。こういった取り組みは、教員を目指す学生にとって大変心強いのではないでしょうか。

授業の様子を教えてください!

2022年度から、小学校においても「教科担任制」が本格的に導入されました。これまでは一人の先生が自分の担任するクラスのほぼすべての教科を教える「学級担任制」が基本でしたが、今は教科ごとに専任の先生が教える「教科担任制」がスタートし、より分かりやすく質の高い授業が求められます。

私は、理科の専門性を身につけた教員の養成に向けた『初等理科教育法』の授業を担当しています。自然への興味・関心を高め、理科を楽しく学び、子どもたちの可能性を引き出すことがとても大事です。それには、まず皆さんが「理科を楽しい」と感じることです。子どもたちと一緒に自然の不思議さを感じ、考え、楽しむ、そういう気持ちで、理科の授業やアプローチ方法を学んでいきましょう。

地域の子供たちと夏休みに大学で実験ワークショップの様子

また、新しい学びの『理科クロスカリキュラム研究』という授業では、理科の各分野の専門科目だけでなく、文学や英語の要素を取り入れ、多面的に物事を捉える力を養う教科横断的な科目やファシリテーションスキルを養成します。SDGsに示されるような教育の諸問題や「総合的な学習(探究)の時間」における科学探究について考え、生徒に伴走できる先生として現場で活躍することを目標とした授業です。

『理科クロスカリキュラム研究』授業の様子

私の授業では実験を多く取り入れ、できるだけ自分で確認、そして、結果をグループで話し合い、各自が実験からわかったこと・感じたことを話し合い、グループの意見をまとめて発表する、という進め方をしています。そのため、「対話」やコミュニケーションがとても需要です。「なるほど!」「わかった!」「伝わった!」そういう気持ちを大切にしています。

ゼミではどんなことをするのですか?

私が受け持つ佐藤ゼミは、学生から「理科ゼミ」と呼ばれています。関西エリアを中心に、子どもたちの夏休みなどに各地で開催される実験ワークショップをはじめとしたイベントにも積極的に参加しています。日々学んでいる理科授業の実践の場として、キャンパスを飛び出し子どもたちの科学の芽を育んでいます。

佐藤ゼミ Instagramより

2023年度は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と共に、女子中高生の理系進路選択支援プログラム『Smart Science Seminar」プロジェクトを展開し、関西を中心に実験ワークショップやサイエンスフォーラムなどを通じて、理系進路を選択する女子中高生を応援してきました。

今年も私たち理科ゼミの活動を発信して行きますので、instagramも覗いていただいて、良かったらフォローしてくださいね。

佐藤ゼミInstagram:https://www.instagram.com/ibu_sato_seminar/

佐藤先生が理科の先生をめざした理由は?

子どもの頃から科学実験が大好きでした。色が変化する現象はとても綺麗で不思議でした。花火もどうなってるんだろうとか、「不思議!」「どうして?」と思うことが多く、科学に触れたいと思うきっかけだったかもしれません。科学のおもしろさを追究したいという気持ちと、理科に限らず「学習する意味」を考える時期もあり、いろいろな思いを一緒に考えられる教員になりたいと思いました。

最後に受験生にメッセージを!

自分の未来は自分で拓くという決意が必要です。四天王寺大学には充実した教育環境と同じ志を持つ仲間がたくさんいます。その仲間たちと交流を深め、切磋琢磨しながら夢の実現に向かって努力する皆さんを、教職員一同、全力でサポートします!

WRITER
佐藤 美子 / さとう よしこ

所  属:教育学部 教育学科 学校教育コース
担当講義:教科内容論(理科)、科学的探究の方法、理科クロスカリキュラム研究
研究分野:理科教育学、科学教育学、マイクロスケール実験

神戸大学附属中等学校理科教員を経て、四天王寺大学教育学部にて教員養成に携わる。自分でわかる、考える、伝える、を重視した主体的な実験活動を展開。日本学術振興会主催「ひらめき★ときめきサイエンス」、夢・化学-21委員会主催「子ども化学実験ショー!」をはじめとした科学の芽を育む地域活動の貢献により、日本化学連合主催「化学コミュニケーション賞2021」にて「審査員特別賞」を受賞。2023年度、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と共に、女子中高生の理系進路選択支援プログラム「Smart Science Seminar」プロジェクトを展開し、関西を中心に実験ワークショップやサイエンスフォーラムなどを通じて、理系進路を選択する女子中高生を応援している。

関連リンク
四天王寺大学:教育学部
Instagram:四天王寺大学 佐藤ゼミ
Youtube:授業を動画で体験「四天王寺大学研究所」教育学部 教育学科 学校教育コース:理科教育学、科学教育学
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