Shitennoji University
四天王寺大学は日本ライトハウス盲導犬訓練所と2023年5月に連携協力協定を締結。歩行訓練場所の提供・日本ライトハウスの方に授業内でお話しいただくなどの連携をしています。2024年には、ライフデザイン学科の実践演習の一環として「ボランティアDAY」を初めて開催し、好評を受けて今年で2目の開催となりました!
4月30日の「国際盲導犬の日」を前に、盲導犬候補のパピー(子犬)、訓練を受けて盲導犬とは違う道に進むことになったキャリアチェンジ犬、引退犬、盲導犬を産む繁殖犬など総勢約240頭(!)が集まった「ボランティアDAY2025〜ワンワン大交流会〜」の様子をお届けいたします。
ワンワン大交流会は、盲導犬とその飼主さんたちの交流だけでなく、学生主体の企画実行や福祉事業への貢献も開催の意義となっています。ライフデザイン学科1年生の末永さんはイベント内の催しとして、売上を日本ライトハウス盲導犬訓練所に寄付するためのガチャガチャコーナーの企画・運営を担当しました。
「景品を100個以上手作りするのが大変で間に合うか心配でしたが、みんなで協力してなんとか仕上げられたので、すごく達成感がありました。ギリギリまで作業してて文化祭みたいな感じでしたね笑。キーホルダーやストラップなどを自作したんですが、色彩検定の知識やカラーコーディネートの授業で習ったことを活かして色の組み合わせを考えたり、POPや注意書きも、どうやったら注目してもらえるか考えながら作るのが楽しかったです」
「元々動物は好きでしたが、実際に盲導犬についてのお話しを聞く機会や触れ合う機会がなかったら知らないようなことばかりだったので、すごく勉強にもなりましたね」
ガチャガチャをはじめ、イベント全体はワンちゃんたちが自由に遊べるフリーラン、フォトスポット、福祉事業所「ライフ&ワークうらら」とのコラボなど盛りだくさん。東キャンパスの芝生広場では、ボランティアの方同士の交流やワンちゃんたちがくつろぎます。
社会福祉法人 日本ライトハウスは、視覚障害者福祉を行う支援機関として、盲導犬育成の他、点字印刷や点字図書館、視覚障害リハビリテーションセンターの事業など幅広い活動を行っています。その中で、約20年盲導犬の訓練を担当している桒木(くわき)さんにお話を伺いました。
「四天王寺大学さんとは盲導犬候補のパピー(子犬)の社会化トレーニングの場としてキャンパスを使わせていただくようになったことがきっかけで連携を取らせてもらうようになりました。ライフデザイン学科で福祉に関するお話をさせていただいたこともあり、その流れで昨年初めてベントを実施させてもらいました。今年はより規模が大きくなり、ボランティアさん600人以上、犬も300頭近くが参加するという、ライトハウスにとっても過去最大のイベントです。学生さんもすごく協力的にサポートに入ってくださっていて、本当に助かっています」
「盲導犬の育成には約2年かかり、たくさんの人の支えが必要です。また、パピーから盲導犬になれるのは全体の3割以下で、10~11歳になると引退を迎えます。育成できる数には限りがあり、申し込みをしても1~2年以上待っていただいているのが現状です。なので、こうしたイベントを通じて盲導犬や視覚障害者の方について知ってもらう「0から1」のきっかけになればと思っています。その上で、学生さんが社会に出たときにも福祉についての何かしらの気づきを持ってくれればとても嬉しいですね」
ワンちゃんたち、ボランティアの皆様、そして学生ボランティアのあたたかい思いと熱意が集まった特別な一日。ライフデザイン学科でも聴覚・視覚障害についての理解を深めており、盲導犬訓練所はダイバーシティ社会の実現に大きく貢献しているにもかかわらず、まだまだたくさんの課題を抱えていることが分かりました。交流を通じて、盲導犬や視覚障害の方に対する支援の輪がさらに広がっていくことを願っています。