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お知らせ 12月23日(土)・12月24日(日)看護実践開発研究センタープログラム・認知症コース:ケア管理編

研究・社会連携

2023年12月23日(土)、看護実践開発研究センター「看護職の実践能力・研究能力開発プログラム」認知症コース:ケア管理編(前半)の4つの講義を、あべのハルカスサテライトキャンパスで開講しました。前回に続き3回目の講座になります。
 まず、1限目は本学看護実践開発研究センターの山崎センター長(認知症ケア専門士)による「認知症の人を支える制度」、2限目は「インフォーマルサポートの活用」に関する講義を行いました。昼休みを挟んでの3限目は、佛教大学の阿部聡美先生(認知症看護認定看護師)による「効果的な人材育成」に関する講義と演習で、ワークシートに基づいたグループワークを行いました。受講者は、大学院生や、実習施設・実習病院に勤務されている方が聴講されていました。

写真:阿部聡美先生による講義・演習

 1、2限目は山崎センター長による講義でしたが、制度の変遷やサポート内容についての説明と、「制度やサービスがあってもキーマンとなる人がリーダーシップを発揮して、適所につないでいかないと認知症の人には届かない」ことや、「本人や家族の意見を反映した制度やサービスでないと意味がない」ことを強調されていました。
 3限目の「人材育成」に関する講義では、講義後に個人でワークシートに記入した後に前後の方と話し合い、全体共有することで、視点をさらに広げて考えていました。

写真:若野氏の講義の様子

  また、4限目のSPSきずなや代表の若野氏の講義では、政府がどのような方向で活動を推進しているかや、予算の取り方や予算をうまく活用する方法などのノウハウを教授していただきました。今年の6月に可決された認知症基本法についても、制度があっても国内の地方ではそれぞれのローカルルールがあり格差が存在するため、全国で統一した制度にするためにできたものであり、可決するまでは10年かかったことの苦悩もお聞きすることができました。福岡市介護福祉課が企画している「認知症フレンドリーセンター」をプラットホームにして、本人と全国各地の企業とが話し合える場を設定することで、当事者本人が使えるようなものを共同開発することに繋げられるように展開していることも聞き、とても良いシステムなのだと感じました。

 2023年12月24日(日)には、前日の認知症コース:ケア管理編(後半)続き、4回の講座を実施しました。

 まず、1限目は医療法人健和会 奈良東病院法人事務局長の岡田智幸氏から講義をいただきました。まずは、①日本の海外人材受け入れの現状など海外事業についての説明、②海外からの看護職・介護職の受け入れのポイントを吐山学園の地域活性化や地域住民との連携の事例を紹介していただき、③多文化共生・共創社会の実現に向けての提言をしていただきました。海外から61人の外国人職員を受け入れている実績から困難と課題として、資格取得後の実習生の動きとして「ベトナムから日本でまなび資格取得しても母国には帰らず、ドイツやオーストラリア、カナダなどの先進国に就職してしまう」という現状から、技能実習生制度自体のあり方の見直しや評価を国内レベルとするか世界規模レベルにするかなどの検討も必要であると講義され、大変興味深く聴講しました。

写真:岡田氏の講義、質疑応答の様子

 2限目は、まほろば倶楽部代表の平井正明氏(若年性認知症本人)からの講義では、地域共生社会の構築について講義をいただきました。当事者目線での立場で日ごろから感じていることや、認知症といえば高齢者というイメージがあるが、高齢者でなくてもなり得ること、認知症に関するたくさんの情報発信をしていただきました。

写真:平井氏の講義の様子

 3限目は、本学看護学部の杉本助教から「認知症カフェの運営」について講義と、受講者の考える「あったらよいと思う認知症カフェのあり方」についてグループワークを行いました。それぞれの立場でポストイットに意見を記入して、カテゴライズしていきました。完成した後には代表者が発表してまとめを行いましたが、認知症カフェの予算化が終了した後は、「クラウドファンディング」や「休眠予算を有効活用する」といった、午前中の講義での知識を集約して意見交換していました。

2日間の受講生アンケートでは、ほぼ100%の方が理解できたと回答しており、以下の感想を回答していました。

■自分の知識としては深まったので、今後はスタッフの育成に向けて、具体的に考えていく必要があると感じまし
 た。また、制度については、日頃病院で働いているとなかなか考えていなかったので、今回は制度について自分
 がよく分かっていないことに気付きました。今後も学習を深めていこうと思いました。
■日常を離れて、数々の貴重なご講演をお聞きできました。その中で、認知症のことについて、さらに認知症以外
 のことについて、改めて考える機会になり有意義でした。ありがとうございました。
■どの講義もとても興味深く、時間があっという間に過ぎました。特に「インフォーマルサポートの活用」では、
 実際の話をしながら解説して頂いたのでとてもわかりやすかったです。また「効果的な人材育成」のグループ
 ワークでは、共通して人材がいても効果的に機能していない実状が課題であることがわかり、制度をよく理解す
 る事の必要性を痛感しました。本日の講義から、様々な職種がそれぞれの枠を越えた横の繋がりを密にし、調整
 していくことが大切だと再認識しました。 全部の講義自体も段々と繋がっていく感じがしてとても良かった
 です。
■認知症の方を地域で支えることに貢献したくなりました。認知症の方の思いを聞かせていただけたのもよかった
 です。
■外国人受け入れに関する講義は何度か伺いましたが、以前よりも外国人介護分野の受け入れが難しい状況になっ
 ていることや、先を見越した取り組みが必要なことがよくわかりました。みまもりあいアプリの取り組みがとて
 も興味深かったです。地域全体で活用していきたいと思いました。 認知症カフェの話では、インタビュー結果を
 まとめた内容がとてもわかりやすかったです。 お忙しい中、たくさんの講義を企画・実施していただいてありが
 とうございました。どれも有意義な内容で、とても満足致しました。

四天王寺大学看護学部看護実践開発研究センターでは、次年度も引き続き認知症ケアに関する講義を予定開催しますので、ぜひ皆さんご参加ください。

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