(2020年3月11日)
「地域連携学生企画プロジェクト」は、本学で学んだ利他の精神を活かし、学生ならではの視点で、大学周辺(羽曳野・藤井寺市)地域の魅力を紹介する企画を立案しようと6チームが参加し、2019年11月にスタートしました。
このプロジェクトは、学生の皆さんの発想力や教育研究活動を保護者の皆様はもとより、社会に発信するための事業で、学生の活動資金を本学の後援会より[保護者奨励奨学金]としてご提供いただいております。
保護者奨励奨学金は、学生の大学での学びと保護者の皆様を結びつけたいと考え、学生が考えたアイデア・企画、教育活動等に対して保護者の皆様にご支援いただく制度として創設されました。 |
この「地域連携学生企画プロジェクト」で学生が調査・実施した成果物と報告書は、羽曳野市・藤井寺市の観光等にお役立ていただきたく、2020年3月9日(月)に各自治体の方々をお招きして、予選を通過した4チームの学生によるプレゼンテーションと企画審査を実施しました。
プレゼンテーション審査には、岩尾 洋学長、井川 好二副学長、香川 徹事務局長、後援会会長 園田 明雄氏、エクステンションセンター長 源 健一郎教授(人文社会学部 日本学科長)、羽曳野市教育委員会事務局文化財保護課 伊藤 聖浩氏、藤井寺市政策企画部世界遺産登録推進チーフ 森内 祥浩氏の7名で行われ、岩尾学長より開会の辞をいただき、プロジェクトのテーマと学生の活動資金を後援会よりご提供いただいた御礼を申し上げました。
取り組みとして大きく2点。
(1)「世界文化遺産 百舌鳥・古市古墳群」を知り、各地域の古墳の数やさまざまな形、世界文化遺産に登録されたポイントのおさらいから、地域で展開されている「古墳グルメ」について現地調査を行いました。
(2)調査で得た古墳の場所や古墳グルメの知識を活用したオリジナル「古墳巡り」を企画。地元の伝統・文化とグルメを体験してもらうため、実際に保健教育コース1・2年生合同の課外活動として、引率教員を含め81人で「古墳巡り」を実施。
古墳をはじめ地域にまつわる歴史の知識量など、「古墳巡り」として企画するには観光案内に精通されている方が必須ではないか 、といった新たな課題発見もあり、この活動を引き継いでいきたいとの抱負も語りました。
地域の魅力発掘に向けて、まず取り組んだことは「藤井寺市・羽曳野市の現状を把握」すること。 住民の皆様や通学・通勤者の視点を理解しようとアンケート調査を実施 しました。
「Q1.藤井寺市・羽曳野市の魅力は?」という問いには、「歴史・文化」が最も多く、「イベント」が最も少ない状況で、「Q2.地域活性化のために期待すること、不足していることは?」という問いでは、「情報・魅力の発信」「若い世代の呼び込み・関心」にが必要では、という回答が多く見られました。
企画提案としては、藤井寺市・羽曳野市が主催しているイベントで、四天王寺大学のクラブ・サークル団体などによるパフォーマンスステージを組み入れ、 在学生を中心とした若者世代を招聘する企画や、藤井寺市・羽曳野市のイベント参加者を相互に交流 できるよう、イベントの橋渡しとして在学生を活用して一体化を図り、地域を活性化させる企画提案を行いました。
「百舌鳥・古市古墳群」について、たくさんの方に知ってもらいたいけど、 古墳に興味がある人は、多いのでしょうか?まずは「古墳グルメの魅力」を発信し、「古墳」を知るきっかけを作ることが大事ではないか と考えました。
多くの人に知ってもらうためInstagramを新たに開設し、藤井寺市・羽曳野市にあるインスタ映えする古墳グルメを中心に情報発信!「#ハッシュタグ」を工夫しながら、フォロワー数・いいね!数も徐々に増えていきました。
また百舌鳥古墳群がある堺エリアでの取り組みや古墳グルメも調査したところ、 堺エリアの方が古墳目当てで来ている方が多く、理由として古墳の近くに観光案内所や堺市博物館、お土産屋さんなどが集中しているのが特長 だと思いました。
※羽曳野・藤井寺エリアと堺エリアの比較シーンでは、審査員の方がスライドを撮影されるシーンも。
「古墳」の良さをそのまま伝えるのではなく、たくさんの方が興味・関心がある“グルメ”を中心に、興味を持つきっかけを作り、Instagramを通して発信する企画提案を行いました。
古市古墳群を幅広い世代の方に知ってほしい!
そこで大学で学んだことを活かし、 「音楽は人と人を繋ぐ」をキーワードに、「誰もが思わず口ずさみ、踊りだしたくなる曲」を作ろう と考えました。
①古墳について知る ②作曲活動 ③振り付けダンス制作 ④動画制作・編集の4行程に分け、チームメンバーと議論しながら、制作を行いました。
実際に、小口山古墳と峯ケ塚古墳を見学し、「時とみどりの交流館」にて資料も観覧し、楽曲のイメージを膨らませました。曲のイメージは、 米津玄師さんの“パプリカ”にも見られる音階の「ヨナ抜き音階」を採用 することを決め、プロの作曲家さんに何度もアドバイスをいただきながら完成させました。
また、せっかく得た古墳に関する知識をどのように反映するかメンバーで試行錯誤し、 子どもから大人まで幅広い世代で楽しめるよう に、言葉選び・振り付けについても議論を重ねました。
《古墳☆音頭》(1分30秒)
完成した映像の試写も行い、古市古墳群にちなんだイベントや、子どもたちが集まる場で活用して欲しいと企画提案を行いました。
各チームの発表を終え、課題・問題設定、調査の適切性、独自性、プレゼンテーション方法の4つの観点によるルーブリック評価で審査と発表が行われ、各チームが受賞した表彰は以下の通りです。
羽曳野市 伊藤 聖浩氏、藤井寺市 森内 祥浩氏
どのチームも独自の観点による企画となっており、各賞に順位をつけることが目的ではございませんが、非常に僅差でした。「百舌鳥・古市古墳群」に触れる体験や知識から生まれた企画やアイデアを取り入れて、より多くの人に楽しんでもらえるよう推進していきたい。
後援会会長 園田 明雄氏
大阪初の世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」が、四天王寺大学がある藤井寺市・羽曳野市にたくさんあります。それが地元の歴史・伝統を学ぶきっかけとなり、学生が地域に貢献する素晴らしい取り組みだと感じ、後援会としても嬉しい限りです。是非、今回の取り組みを継続し、各自治体の皆様と共に発展していくことを期待しています。
次年度以降も、本学学生の発想力や教育研究活動を社会に発信するテーマを支援するために保護者奨励奨学金を継続していく予定です。