Shitennoji University

令和5年度 科学研究費助成事業(科研費)令和5年度 採択課題 研究概要①

言語適性は語彙学習ストラテジーにおいてどのような役割を果たすのか

研究代表者氏名 麻生 迪子(アソウ ミチコ) 所属 人文社会学部
日本学科
職位 准教授
研究種目 若手研究 研究課題番号 18K12436

研究の目的

本研究は,日本語学習者の情報獲得能力の向上を目指し,未知語意味理解ストラテジーの指導法の開発を試みる。どのような学習者が,どのような未知語意味理解ストラテジーの利用を効果的に行えるのかを言語適性の観点から検討し,語彙学習の負担を軽減する指導法の開発を行う。具体的な研究課題は,3つである。

  • (1)言語適性は,未知語意味理解ストラテジー能力と関連があるのか。
  • (2)言語適性は,未知語意味理解ストラテジー能力を予測するか。
  • (3)未知語意味理解能力の観点から学習者は,どのような適性プロフィールの観点 に分類できるか。

期待される研究成果

本研究の成果により,学習者の適性にあった語彙指導方法の開発を行うことができる。これは,日本語教育における語彙指導時間の短縮をもたらす。また,従来,言語ストラテジーは,個人差の外的要因として単体で論じられることが多かったが,言語適性という内的要因という観点で論じることから,個人差という概念を複合的にとらえ,第二言語習得の本質に迫ることができる。

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http://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K12436
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数論的多様体の幾何学と数論的正値性

研究代表者氏名 生駒 英晃(イコマ ヒデアキ) 所属 教育学部
教育学科
職位 講師
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 20K03548

研究の目的

代数多様体上の有理点の研究を行う上で、計量の付いた直線束のノルムの小さい大域切断を考えることが大変重要です。例えばこのような切断は、超越数論における補助関数の役割を果たします。私はこのノルムの小さい切断に、零点集合上の重複度の条件(基底条件)を課した上で、その存在や個数の問題を考えました。本研究の目的は、計量付き直線束と基底条件の組に対して高さ関数を定義し、それを有理点の問題に応用することです。具体的な計算が可能な、曲線の場合やトーリック多様体の場合を確認した後、一般の場合を調べる計画です。

期待される研究成果

代数多様体上の有理点の問題は、数論幾何学において中心的で非常に長い歴史をもつ研究対象です。また、大域体上の数論幾何学であるアラケロフ幾何学において、数論的正値性の問題が大変重要です。本研究を通じて、これらの問題に、新しい概念と道具を確立することができると期待されます。

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地域社会における不確実性を内包した空間管理政策の検討

研究代表者氏名 五十川 飛暁
(イソガワ タカアキ)
所属 人文社会学部
社会学科
職位 講師
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 23K01740

研究の目的

不確実性の増す地域空間をどう管理していくのかが喫緊の課題となっている。従来、地域空間をめぐってはオーバーユースの調整が課題とされ、所有の所在を軸にした対応がされてきた。ところが近年ではアンダーユースの問題も顕現しており、所有だけでない利用の観点に関心が集まっている。ただ、利用をめぐる現在の空間管理論は所有の対立項にとどまっているようにも思われる。そこで着目したいのが、現場の人びとによる実際の地域空間とのつきあい方である。人びとは身近な空間をめぐって、どのように不確実性に対処してきたのか。フィールドワークによる「不確実性を内包した人びとの選択」の検討をつうじて、地域社会の空間管理にあらたな選択肢を提供することを目的としている。

期待される研究成果

本研究の目的を達成するため、いくつかの事例地を選定しながら、フィールドワークを実施していく。従来、地域社会の人びとにとって、身近な地域空間は重層的かつ可変的なものであり、つねに不確実なものでありつづけてきた。本研究ではそのような存在として地域空間を把握するとともに、地域空間に対する現場の人びとのその時々の判断のあり方を看取することを通して、地域社会の人びとの不確実性への向きあい方を明らかにしていく。そこで得られるであろう生活の論理からは、学問的には空間管理をめぐる諸議論を批判的に発展させることができるだろうし、政策論的にも、地域空間の管理のあり方について模索している各地の人びとが、自分たちの今後を考える際の判断材料を提供できるのではないかと想定している。

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支配‐被支配関係から捉えるデートDVの実態

研究代表者氏名 上野 淳子
(ウエノ ジュンコ)
所属 人文社会学部
社会学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K03356

研究の目的

従来のデートDV実態調査では、男性の方が暴力行為を多く受けていることが示されてきた。しかし、これらの調査は、暴力行為の頻度のみを尋ね、頻度が高ければデートDVの加害・被害も大きいと判断している点で問題である。暴力の本質は暴力行為そのものではなく、それが生み出す支配的関係性であるため、暴力行為に加え、その心理的結果である支配-被支配関係を把握すべきである。女性の暴力行為は相手へのダメージが少なく、支配-被支配関係の構築に与しない可能性がある。支配-非支配関係に着目すれば、軽く見られがちな精神的暴力が、どれだけ強固な支配-被支配関係の成立に寄与する重大な暴力かも検証できる。研究代表者はこれまで、支配-被支配関係を捉える「恋人による被支配感」項目を作成し、それを用いることでデートDVの真の被害の程度を把握できること、暴力行為を受けるのは男性が多くとも、女性の方が暴力行為で支配されやすく被害の程度が重いと言えることを示した。本研究の目的は、①「恋人による被支配感」項目の信頼性・妥当性を高めて尺度として完成させ、②支配-被支配関係と暴力行為の相互性について交際中のカップルも対象とした実態調査を行い、③ジェンダーとデートDV加害-被害の対応とメカニズムを解明することである。

期待される研究成果

本研究により得られた知見は、臨床での援助や予防教育に効果的に活用することができる。デートDVの実態とメカニズムが判明すれば、一見デートDVのようだがそうではない行為(ex.身体的暴力が頻繁でも軽く叩く程度であり、恐怖心がなく別れたければ別れられる)、巧妙に支配-被支配関係が築かれる見えにくいデートDV(ex.あからさまではないが継続的精神的暴力があり、恐怖心で逃れられない)、たった一回でもそれにより強固な支配-被支配関係が確立される暴力行為などを区別して把握することができ、どのような暴力行為が支配-被支配関係の成立と維持に影響するか明らかにできる。また、「性的暴力以外はむしろ女性が加害者である」という従来の結果を検証できる。女性の暴力行為は頻度が高くても支配-被支配関係の成立に寄与せず、デートDVにおいても女性は被害者となるケースが多いという臨床的知見が支持されるのか、それとも女性は巧妙な暴力行為を駆使して相手を支配するという結果が得られるのかによって、デートDVの今後の予防教育、被害者支援の方向性が左右される。さらに、本研究によって開発される支配-被支配関係を測定する方法は、パワーと支配をめぐるデートDV以外の領域(DV、虐待、ハラスメント等)でも応用可能である。

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成年後見活動における「意思決定支援ツール」の開発

研究代表者氏名 笠原 幸子
(カサハラ サチコ)
所属 人文社会学部
人間福祉学科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K02230

研究の目的

認知症、知的障がい、精神障がい等のために意思決定能力が不十分な人たちは、自ら意思決定しながら、その人生を自律的に生きているとは言い難い。意思決定能力が不十分な被後見人を支援する後見人の役割は重要である。意思尊重と保護という対極にある理念の中で、被後見人の意思を尊重しつつ最善の利益を追求することが求められる。

そこで、本研究では、1)福祉・医療・法律に関わる専門職から構成されるチームによって、支援現場に密着し、被後見人の意思決定を支える支援の実態を明らかにする、2)異なる背景の専門性をもつ後見人が存在するなかで、被後見人(親族を含む)ならびに支援機関との連携の中で求められている後見人としての役割と専門性を明らかにする、これらの研究から得られた知見より、最終的には、3)後見人が活用できる具体的な「意思決定支援のツール」を作成することを目的とする。

期待される研究成果

1.意思決定支援活動の実態を明らかにし、成年後見人の役割やその専門性の明らかにすることは、成年後見人の専門性の向上に寄与する。
2.成年後見人の専門性の向上に連動して、成年後見活動の社会化に連動する。
3.「意思決定支援ツール」の開発は、意思尊重義務と身上配慮義務の狭間で活動している成年後見人の揺らぎを最小限にし、被後見人のQOLの向上に寄与する。
4.専門職チームによる研究活動から得られた知見や成果物(「意思決定支援ツール」)は、成年後見活動をする者を、真に支援すると考える。
5.上記1~4より得られた知見は、①成年後見人の養成のための研修、 ②成年後見人の適切な活動のための支援、さらには、成年後見人の活動を安定的に実施するための組織体制の構築においても寄与すると考える。

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グローバルスクールリーダーの資質-向社会性形成への日本とフィンランドの共同研究

研究代表者氏名 柏木 賀津子
(カシワギ カヅコ)
所属 教育学部
教育学科
職位 教授
研究種目 国際共同研究強化(B) 研究課題番号 19KK0059

研究の目的

Teacher Agency形成の要素(向社会性要因)を探り、現職教員を含む教職大学院等における教育的介入(1~3)が、どのような変容をもたらすかについて検証するスケール開発を行い変容を明らかにする。研究代表者らがフィンランド等を訪問し、日本とフィンランドの教員養成の比較を行う(1)グローバルスクールプログラムの開発と実施。(2)教科連携CLILのInterdisciplinary approachを用いた授業改善と国際間の共同研究経験・教員間・異文化間のコンタクト、(3)教育のプラットフォーム運営・学校経営にICTを応用、教職大学院グローバルスクールリーダー育成モデルを提案する。また、2023年には、Teacher Agencyの形成が、変革の起こりやすい職場やチームの形成をいかにして可能にし得るかについて、フィンランド、日本、ベトナムの3国において、アンケートを実施し、それぞれの国のTeacher Agency高揚の実態を明らかにする。

期待される研究成果

本研究は、グローバル社会で活躍しようとする次世代の子どもを指導する教員としての資質、Teacher Agency(教員等が意図を持って建設的に周囲に働きかけながら教育活動を計画実行する能力)の形成に必要な大学や現職研修での教育的介入方法を明らかにするものである。日本とフィンランドとの国際共同を通したInterdisciplinary Approachにより進めていく。実践面の概要は以下の3点である。

  • (1)NITS教職員支援機構の採択プログラムとして、2020年度グローバル教育プログラムを創成し、大阪府・大阪市・堺市の協力を得て研究者らの教職大学院が主体となって実施した。
  • (2)教科連携のCLIL指導や、Interdisciplinary approachを用いた授業、国際間の共同のコンタクト、英語をもちいたSTEAM・CLIL研修に取り組んだ。フィンランド・ユバスキュラ大学からの講師招聘、EU国で活躍するCLIL研究者の招聘などを実施している。
  • (3)対話型研修のファシリテーターとしてのコツや、ICTの教育活用なども研修シラバスに組んだ。2022年度から2023年度は関西英語授業研究会(HARVEST)において、関西の英語教員を中心に対話型研修を続けている。

上記研修の受講者には管理職や研修主任も多く、講義の学びを早速自校の校内研修に活かした。成果はNITS採択プログラムの報告にまとめた。実践面の成果としては、受講者が参加型で省察ルーブリックを意識して取り組めるよう、また、研修内容を自校に転移して活かすために、学校のチーム作りに至るまでのワークショップを取り入れたが、その効果があったと考えられる。2021年度は、当初の計画であったTeacher Agencyの尺度(TAS)の作成、教員21世紀型スキルの尺度(48項目)の妥当性・信頼性の検証を行った。2023年度はこれらの尺度をもちいて、Teacher Agencyの高揚や、問題解決型の授業で必要となる教員の21世紀型スキルの育成を行いその効果と変容を見ていく。

備考

Research Map柏木賀津子https://researchmap.jp/read0145281
ホームページ 柏木賀津子https://www.kashiwagi-lab.com/
→国立台中教育大学https://ed.ntcu.edu.tw/?fbclid=IwAR1GTl_AJ4FzvEefBHQOz1DI5ou88Kk_eDV2OKPrVRBVT1ZwWVPxrbdHs9o

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教科内容の深化を図るCLILと小中学生の文構造への気づき

研究代表者氏名 柏木 賀津子
(カシワギ カヅコ)
所属 教育学部
教育学科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 17K03010

研究の目的

本研究は、用法基盤モデルに基づく、小中学校の英語教育指導内容の連携と文法指導を関連付け、その上でCLIL(内容言語統合型学習)の指導を行い、教科内容(理科・体育・環境)が深まる思考場面での英語使用を創り出し、言語運用を行っていく授業実践を提案するものである。

期待される研究成果

本研究は、終盤時期を迎え、以下のような研究成果があった、また研究論文と著書の発刊については、Researh Mapに記している。

  • 1)国内外のCLIL実践者との国際シンポジウムや、フィンランド等ヨーロッパの教育機関へのCLIL訪問授業を実施し、それらの成果を香港の教育学会でプレゼン発表を行い優秀論文学会賞を授与された。CLILに関する共著書を4冊発刊した(大修館書店・明治図書・くろしお出版等)。用法基盤モデルとCLILに関連して、査読付き論文4本を発刊しCLILと21世紀型スキルのスケールについて信頼性と妥当性のあるスケールを論文にまとめた。
  • 2)新型コロナ感染症の影響下では、オンライン学術交流や研修、コロナ禍での教師ネットワーク創りを行った。CLILでは「内容と思考」に引き込まれるため、ZOOM講義でも関心が寄せられた。大阪府下教育委員会、Teacher For Japanなどと連携し協働的問題解決力の育成や、21世紀型スキルの育成を行い教員の21世紀型スキル尺度(Edu21st)を作成した論文が査読付き論文として採択された。
  • 3)理数CLIL(紙飛行機の揚力や慣性のホ法則活用)、体育CLIL(英語と球技、脳と運動機能に関連して)および、SDGs・環境CLIL等について国内外で実践した授業ビデオクリップをホームページで公開している。また、新学習指導要領改訂で新教科書が発行されたが、開隆堂教科書の執筆代表著者として、地球環境SDGsの内容も取り入れた(環境、水の大切さ、食品ロス等)。
  • 4)CLILアプローチについて、ベトナム-日越大学(20223年2月),台湾-国立台中教育大学(2023年5月)における文部科学省が推進するバイリンガル教育学会への招聘講演を行った。STEAM、俳句について、CLILを活用した教員養成の実際についてプレゼンテーションを行った。→国立台中教育大学
    https://ed.ntcu.edu.tw/?fbclid=IwAR1GTl_AJ4FzvEefBHQOz1DI5ou88Kk_eDV2OKPrVRBVT1ZwWVPxrbdHs9o
  • 5)日本CLIL教育学会の副会長を務め、国内では大阪、東京、久留米等、海外では、フィンランドーセイナヨウキ、ベトナムーハノイや、オーストリアーウィーン、において、海外研究者と協働してCLIL教員研修を実施すると共に、ワークショップにより開発した教材や指導法を発信した。2023年7月には、フィンランドよりSTEAM指導のベテラン教員・研究者を招聘し、教員向けCLIL公開ワークショップを行う。(上智大学、四天王寺大学、京都教育大学(小学校英語教育学会全国大会)、甲南女子大学)

備考

Research Map柏木賀津子https://researchmap.jp/read0145281
ホームページ 柏木賀津子https://www.kashiwagi-lab.com/

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他者への接近動機喚起メカニズム:かわいさ知覚と身体的反応の相互作用を指標として

研究代表者氏名 藏口 佳奈
(クラグチ カナ)
所属 人文社会学部
社会学科
職位 講師
研究種目 若手研究 研究課題番号 21K13679

研究の目的

他者との円滑な対人関係を構築し維持するためには,対峙する他者への接近動機や援助行動を適切に表出する必要がある。接近動機や援助行動は,他者のかわいさ知覚時に喚起されることから,他者のかわいさを認識することが広範な対人関係の円滑化に寄与すると言える。かわいさの知覚は,瞳孔反応などの身体的変化や,注意の幅の矮小化といった知覚・認知的変容を伴い,こうした心身の変化全体が接近動機を介して援助・養育行動を促すと想定される。本研究では,かわいさ知覚に伴って生じる身体的反応を明らかにしたうえで,かわいさの知覚時と同様の身体的反応を実験的に生起させた場合にも,かわいさの評価が高まり,他者への援助・養育行動が喚起されるのかを検証する。こうした検証を通して,かわいさ知覚とそれに伴う身体的反応の関係性を明らかにし,他者への援助・養育行動を喚起する心理基盤の一端を解明する。

期待される研究成果

本研究では,対人関係の構築および維持に資する援助・養育行動を喚起する心理メカニズム解明の切り口としてかわいさ知覚が接近動機を喚起するメカニズムに注目する。かわいさは親子関係をはじめとする対人関係において潤滑油のような役目を果たすと想定されるが,この感情状態を意図的に生起させることが可能であれば,例えば虐待の抑止策として,保護者の身体的反応に介入するという新たなアプローチを講ずることもできるだろう。つまり,かわいさ知覚と身体的反応の関係性を検証することで,当該研究分野の知見を増やすだけでなく,社会的な要請にも十分に応えうる可能性がある。

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古典期ローマにおける相続と贈与

研究代表者氏名 後藤 弘州
(ゴトウ ヒロクニ)
所属 経営学部
経営学科
職位 講師
研究種目 若手研究 研究課題番号 20K13308

研究の目的

現代において相続と贈与の間に深い関係があることはよく知られており、そのことは古典期ローマにおいても変わらない。本研究は具体的な事例を検討することにより、古典期ローマにおける相続と贈与の関係について明らかにすることを目的とする。ここでいう贈与には死因贈与も含まれ、生前贈与と死因贈与の関係についても研究対象としている。

期待される研究成果

  • 古典期ローマの相続における死因贈与の働きについて明らかになる。
  • 古典期ローマにおける生前贈与と死因贈与の関係について明らかになる。
  • 古典期ローマにおける相続実務についての理解が深まる。

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妊孕性温存治療を受けた女性乳がん患者の妊娠・出産へ向かう体験

研究代表者氏名 小西 玲奈
(コニシ レイナ)
所属 看護学部
看護学科
職位 助教
研究種目 研究活動スタート支援 研究課題番号 22K21098

研究の目的

女性にとっての妊孕性とは、妊娠のしやすさ、妊娠できる力であり、妊娠を可能にするための不可欠な生体の力である。そのため、妊孕性の喪失は、子どもを産み家族を形成する権利への脅かしとなるだけでなく、パートナーとの間にも人生設計の変更など深刻な問題を引き起こす可能性もある。
乳がん治療におけるがん薬物療法には、卵巣機能抑制に伴う妊孕性喪失の可能性があり、その回避手段として妊孕性温存治療が挙げられる。申請者らは、生殖可能年齢にある女性乳がん患者が、がん薬物療法前に妊孕性温存治療を受けるか否かに関する意思決定過程を説明する理論を生成した。しかし、意思決定後に妊孕性温存治療を経た女性乳がん患者の詳細な知見は、現時点でほとんど得られていない。本研究では、妊孕性温存治療後から胚移植を経た患者の体験を明らかにする。

期待される研究成果

本研究では、女性乳がん患者自身から捉えた妊孕性に関する体験を明らかにする。明らかになった患者の体験から、どのような看護支援を必要としているかを検討し、がん・生殖医療領域における看護支援整備のための新たな知見をもたらすことが期待される。さらに、子どもを望む女性乳がん患者に対して、がん治療と併せて、生まれてくる新しい命について検討できること、将来的な人生計画・家族計画という視点から展望の可能性を見出す一助として貢献できると考える。

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