研究代表者氏名 | 山本 あい子 (ヤマモト アイコ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(B) | 研究課題番号 | 21H03228 |
近年の地球温暖化による災害発生の増加と大規模化、また健康障害(栄養失調、呼吸器等感染症等)の発生や新型インフルエンザ等の大流行が地球規模で予測され、現に2020年は新型コロナウイルス感染症の大流行となり、いまだ収束が見えない状態となっている。日本国内を見ても、東海地震・東南海地震・南海地震等を含め災害発生への警告が続くと当時に、台風による洪水被害も頻発し、社会や人々の安全・安心が揺るがされている。災害に対する備えや対応策の構築は喫緊の課題であり、2015年国連防災世界会議で採択された防災・減災に向けた仙台枠組みの達成に向けて、加盟国には具体的に行動していくことが求められている。災害がもたらす本質について南は、「災害は人々の生活や社会を壊し、命を脅かし、精神的な苦痛を招く原因となる。災害により、社会生活の営みの中に通常ある、基本的安全・安心感と基本的信頼感が揺らぎ、人間の生存や存在の揺らぎを招いている」と述べている(2000)。
本構想が着目している安心の探求は、安全概念とは対照的にわずかに研究されているだけであり、「災害時の安心」においては、日本国内外ともにほとんど研究されていない状況である(山本他, 2018)。「災害時に人々に安心をもたらすケアとは、どのようなものだろうか?」という学問的問いのもとに、本研究は昨今多発している災害状況下において、人々に安心をもたらすケア方略を具体的に提示することを目的としている。
昨今の災害の多発、規模の増大化に対して、災害への対応や備えを具体的に行うことが、日本はもとより地球規模で求められている。このような社会の要請に加えて、災害時には人々の安心感が揺らがされ、そのことは人の生存や存在への脅かしにつながっていることから、「安心をもたらすケア方法」は必要かつ重要と言える。しかし、①災害時の安心創造の探求はいまだ試みられていない現状であり、本研究では安心を創り出す具体的なケア方法を示すことが期待されている。これは、今まで探求されていない研究の視点、かつ独自の視点でもある。また②災害時の人々の安心を核として、人々の健康回復・増進等につながる具体的なケア方法を提示することは、新らしい知識や方法を導くこととなり、災害看護領域の知識構造を豊かにすることになる。加えて、多くの学問領域の知識から構成される「災害安心学」という新たな学問領域の開発につながる可能性も秘めている。
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研究代表者氏名 | 藤原 尚子 (フジワラ ナオコ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 18K10297 |
先進国において、日本は大腸がん死亡率が年々増加しており検診受診率は男女共に低いことが明らかになっている。国外では、がん死亡率の減少を目的とした政策として、組織型検診(Organized Screening)が行われ、その効果が報告されている。しかし、日本は組織型検診体制が未整備の段階である。したがって、大腸がん検診の受診行動サポートにおいては、受診者および非受診者に対するICT(Information and Communication Technology)を用いたインタラクティブな受診勧奨である介入型啓発活動を行い、受診行動につながるようサポートシステムの構築をしていくことが重要である。本研究では、大腸がん検診における組織型検診(Organized Screening)をめざした受診行動サポートシステムの構築を目的とする。
本研究において、大腸がん検診の受診者および非受診者に対して行う介入型啓発活動として、ICTを用いてインタラクティブな受診勧奨(コール)・検診1年後の再勧奨(リコール)による受診行動と受診率向上の効果について明らかにすることで、受診者の特性を考慮した検診の受診行動へのサポートが実施できる。食の見直し、定期的な運動など健康への意識は高まっているが、まだまだ予防医療に対する意識が低いため、1)スモールメディアであるビデオや印刷物およびICT をツールとした受診勧奨の効果、2)アクセス向上などの費用以外の障害の除去の効果、3)電話や面談などの1対1の教育の効果を検討し評価することは、組織型検診(Organized Screening)の確立をめざし、受診者へのシームレスなサポートにつながると考える。これまで研究代表者らは、大腸がんOrganized Screeningに向けた受診行動支援プログラムの開発によるプログラムを活用し、得られた結果を基に大腸がん組織型検診に向けた受診行動支援プログラムの有効性の検証へと展開してきた。本研究では、これまでの研究成果をもとに大腸がん検診の受診行動をサポートできるプログラムを導入したシステムを実用化することにより、独自性の高いシステムの開発が可能となる。また、このシステムを活用し大腸がん検診の受診行動を完遂することは、受診者のみならず医療従事者の他、関係市町村にとっても将来的に受診率向上への大きなメリットになると考えられる。さらに、全国的に新しい対策となる大腸がん検診の受診行動における介入型システムのマネジメントが期待できるとともに、このシステムの構築により大腸がんの受診率の向上と死亡率の低下が期待される。
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研究代表者氏名 | 藤澤 盛樹 (フジサワ セイキ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 講師 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 18K10411 |
小児救急医療機関において子育て支援を促進するための方略をモデル化し実践へ適用することを目的としている。
社会的な子育て支援のとりくみが小児救急医療機関に拡充することで、子育て支援の必要な親子や子育て支援を要望する親など、誰もが小児救急医療機関受診を契機に子育て支援へつながる機会を提供でき、セーフティネットとしての役割にも期待がもてる。本研究は、子育て支援に関する既存の社会資源と切り離した子育て支援モデルを開発するのではなく、既存資源の応用を探求しながら、親が利用しやすくニーズに応えられること、小児救急医療機関として効率的で実行可能であることの双方を重視した子育て支援プロモートモデルの開発を目指している。
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研究代表者氏名 | 永田 麻詠 (ナガタ マヨ) |
所属 | 教育学部 教育学科 |
職位 | 准教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K02849 |
本研究の目的は、性の多様性をめぐる課題にことばの問題があることを確認し、小学校における性の多様性の包摂を国語科教育として取り組むこと、性の多様性の包摂をめざすことが、性的マイノリティ支援ならびにすべての学習者への言語力育成につながることから、新たな小学校国語科教育カリキュラムをインクルーシブ教育の一環として開発することである。
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研究代表者氏名 | 鈴木 浩太 (スズキ コウタ) |
所属 | 教育学部 教育学科 |
職位 | 講師 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K03304 |
注意欠如・多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:ADHD)児の病態は、「反応抑制」、「作業記憶」、「持続的注意」、「遅延嫌悪」、「時間感覚」、「情動調節」など、多様な神経心理学的指標を用いて理解されてきた。他方、多様な指標が整理されていないので、臨床で活用することは困難である。本研究では、ADHD児に関わる神経心理学的指標を包括的に取り入れたアセスメントバッテリーを開発する。
先行研究では、単一の機能に基づく神経心理学的指標からADHD児の判別を試みるものがほとんどであり、ADHDを判別することに限界があった。本研究では、多様な神経心理学的指標がADHDに関わると考え、異なる神経心理学的特徴をもつADHDのサブタイプを仮定して研究を推進し、アセスメントバッテリーを開発する。ADHD児に対する支援法や薬物療法が提案されてきたが、どの方法でも、効果のあるケースとないケースが報告される。本研究の成果を活用して、サブタイプ別の支援方法が提案されていく可能性があり、エビテンスに基づく支援・治療を個人特性に合わせて提供するシステムの構築に貢献することが期待できる。
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研究代表者氏名 | 亀井 縁 (カメイ ユカリ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 准教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K11229 |
海外駐在員は、日本での生活よりも多様で複雑な生活や勤務のストレスに曝されている。途上国や新興国のような医療支援の脆弱な生活環境では、駐在員自身が独りで、心の健康を保つことを余儀なくされている。研究者らはこのメンタルヘルスのセルフケア能力を高めるためのツールとして、中国上海の邦人駐在員を対象として自己覚知や不調の際の対処、生活情報に関する内容から構成される「海外勤務者ノート」(以下、ノートという)を開発した。これらの研究成果から、赴任前から駐在中、帰国後の期間をとおしてメンタルヘルスケアを考えることが必要であること、帯同家族を含めたケアの必要性も示唆された。本研究では、海外で働く日本人駐在員と家族を含めたメンタルヘルスのセルフストレスマネジメント教育プログラムを開発することを目的とし、いつでもどこからでも自由にアクセスが可能であるモバイルアプリケーションの将来的な開発も視野に入れ、教育ツールの開発に取り組む。
本研究の目的は、海外駐在員と家族に向けたセルフストレスマネジメント教育プログラムを開発することである。教育プログラム開発とは、先の研究成果を基盤として、ノートを洗練させ、単身者用と帯同家族用に分冊し発展させること、また、赴任前と帰国後の研修の企画運営(1回/年)とノートの普及活動、及びノートの活用に関する評価である。
本研究により中国上海で働く邦人駐在員とその家族や事業所の規模・事業の種類に関わらず、誰もが、いつでも自由に取り組めるセルフストレスマネジメント教育プログラムにより、メンタルヘルスのセルフストレスマネジメント能力を備えることが期待できる。
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研究代表者氏名 | 西元 康世 (ニシモト ヤスヨ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 講師 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K11052 |
小児看護領域で,看護師が家族看護問題を認識する場面(シチュエーション)をリスト化し,家族支援の介入を始める指標(インデックス)となる家族支援シチュエーションインデックスの開発をすることが本研究の目的である.そのために下記の①〜④の研究を実施する.
現在,家族支援の介入の指標となるものは,家族支援を実施した事例や家族看護学を基盤とする家族看護問題として示されているものが多く,看護師側の視点から家族看護問題を認識する場面を明らかにしたものはみられない.看護師側の視点から,家族看護問題を認識する場面が明らかになることで,多くの看護師が,家族支援が必要な場面を広く認識し,早期の家族支援の実践につながるではなかろうか.
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研究代表者氏名 | 高橋 美奈子 (タカハシ ミナコ) |
所属 | 人文社会学部 日本学科 |
職位 | 准教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K00637 |
類した意味を持つ「類義語」があるように、文法現象を担う文法形式にも、その意味用法や機能において類する点を有する「文法的類義表現」が存在する。日本語文法研究において、同じカテゴリーに属する複数の形式(例:完了相を表す「タ」と「テイル」等)の間に見られる共通点や相違点を明らかにすることは、そのカテゴリーの研究の精緻化のために盛んに行われてきた。これら、同じ文法カテゴリーに属する形式間の類義関係は気づかれやすく、かつ取り上げられやすく、すでにかなり研究が進んでいる。
しかし、異なる文法カテゴリーに属する形式や、品詞を異とする形式であっても、使用条件によっては類義となるという現象も観察される。(例:「~を試みる」の類義表現は「~(し)てみる」と考えられているが、過去の事態「~を試みた」と類義となるのは「~(し)てみた」ではなく「~(し)ようとした」である。)それら、異なる文法カテゴリーに属する形式や、異なる品詞に属する形式の間に見られる文法的類義現象にはどのようなものがあるのか。それはどのような場合に成立するのか。これが本研究の根源的な問いとなる。
本研究の目的は、既によく知られ研究もされている著名な文法的類義表現ではなく、まだよく知られていない、あるいは存在が看過されてきた文法的類義表現を追究することである。そのような文法現象を「気づかれにくい文法的類義表現」と捉えて、日本語の各領域の中から抽出し、整理・体系化するところに、本研究の独自性がある。
過去の文法的類義表現の研究でまとまったものとしては宮島達夫・仁田義雄編(1995)『日本語類義表現の文法(上)単文編』・『同(下)複文・連文編』があるが、同書は著名な類語表現を優先的に取り上げ、記述することを専らとしている。また、非母語話者の誤用を扱う市川保子編著(2010)『日本語誤用例辞典』では、非母語話者の文法上の誤用として、カテゴリーの同一性や形態の相似のほか、意味の類似によって生じる例をも挙げており、示唆に富むが、文法的類義表現を正面から扱うものではない。
これらに対し、本研究は、それほど知られていない類義表現、類義であることが看過されてきた表現・形式としてどのようなものがあるかを明らかにし、それらを整理して体系的に示し、個々の表現・形式について記述する。次のような成果が期待できる。
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研究代表者氏名 | 笠原 幸子 (カサハラ サチコ) |
所属 | 人文社会学部 人間福祉学科 健康福祉専攻 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K02230 |
認知症、知的障がい、精神障がい等のために意思決定能力が不十分な人たちは、自ら意思決定しながら、その人生を自律的に生きているとは言い難い。意思決定能力が不十分な被後見人を支援する後見人の役割は重要である。意思尊重と保護という対極にある理念の中で、被後見人の意思を尊重しつつ最善の利益を追求することが求められる。
そこで、本研究では、1)福祉・医療・法律に関わる専門職から構成されるチームによって、支援現場に密着し、被後見人の意思決定を支える支援の実態を明らかにする、2)異なる背景の専門性をもつ後見人が存在するなかで、被後見人(親族を含む)ならびに支援機関との連携の中で求められている後見人としての役割と専門性を明らかにする、これらの研究から得られた知見より、最終的には、3)後見人が活用できる具体的な「意思決定支援のツール」を作成することを目的とする。
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研究代表者氏名 | 佐藤 美子 (サトウ ヨシコ) |
所属 | 教育学部 教育学科 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K02692 |
児童・生徒の主体的な学習を支援する実験方法としてマイクロスケール実験を取り上げ、教材開発と授業デザインの提案を通して、学校現場への普及を図ることを目的とする。
第1に、マイクロスケール実験による個別実験が適した学習内容の抽出と教材化をり、主体的な学習を支援する実験方法を提案する。次に、思考力の育成に向けた新しい授業展開、詳細な観察による考察の深化、実感を伴った理解の促進等を目指す。
本研究では,特に呈色板やパックテスト容器等の市販品を応用して,より安価で安全な実験器具を用いて学校現場への普及に取り組む。
授業実践では,主に小学校教員志望の学生に,理科の指導力向上を目指して実験を含む授業を多く体験させる。また、小学校・中学校・高等学校の各学校の理科授業で活用できる授業デザインの研究を現場の先生方と実施する。また、ICTを積極的に用いた授業デザインの構築と学校現場への提供も積極的に行う。海外の学校現場における実験授業の視察を通して、日本の教育事情に応じた特色ある教材開発と授業デザインの構築も検討する。研究期間(4年)においては今までの研究の継続を基本とする。マイクロスケール実験の特徴を生かし、同時に次期学習指導要領に対応すべく、教材開発と実践活動並びに新しい授業デザインの構築、研究会を通した活動を行う。マイクロスケール実験の学校現場への普及が進むことが研究成果として期待される。
本研究では 1.教材開発 2.授業デザインの作成 3.授業実践と研究会の活動 4.授業分析と総括 5.実践結果のフィードバック が大きな柱となり、学外者の研究の下で行う。特に理科教育学会における課題研究発表は、10年にわたって継続的に行っているが、本研究の研究期間内においても積極的に成果発表の場として活用する。
研究成果の発表は主に関係学会の論文誌(理科教育学研究、科学教育研究など)への投稿、学会発表(理科教育学会、科学教育学会など)を通して積極的に行い、議論の成果を踏まえ、マイクロスケール実験の普及を図る。
研究成果の社会的還元としては「ひらめき☆ときめきサイエンス」(JSPS主催)を行う。2019年度で4回目の実施となるが、主に中学生と高校生を対象とする実験教室であり,開発した教材実験の実践の場として活用する。
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