Shitennoji University

令和2年度 科学研究費助成事業(科研費)令和2年度 採択課題 研究概要②

優先順位に基づく保健活動を推進するスクラップ&ビルド実践ガイドラインの開発

研究代表者氏名 小出 恵子
(コイデ ケイコ)
所属 看護学部
看護学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K11183

研究の目的

健康課題は多様かつ複雑化しており、優先順位を明確にした行政施策の選択が必要である。しかし、先行研究では新たな保健活動と施策の創出に焦点が当たっており、保健活動のスクラップや優先順位づけに関する知見は蓄積されていない。また、行政機関において施策案作成の役割を担う技術職は保健師が多く、行政内部の政策決定者の合意を得るには、優先順位とその判断基準を明示する必要がある。そこで、本研究の目的は、保健活動のスクラップ&ビルドを実現するための①多職種共有の判断基準と担当者、管理者としての保健師が②各々の機能を実行するために必要な技術から成るガイドラインを開発することである。

期待される研究成果

人材と予算等の資源が限られている中、既存の保健活動のスクラップ&ビルドは必須であり、ガイドラインの開発によって行政における合意形成が推進され、優先順位づけによる効果的な保健活動が展開できる。また、PDCAサイクルの重層的な展開モデルにおける保健師の技術の可視化および、保健医療福祉職の連携協働の推進に寄与する。

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海外駐在員と家族に向けたセルフストレスマネジメント教育プログラムの開発

研究代表者氏名 亀井 縁
(カメイ ユカリ)
所属 看護学部
看護学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K11229

研究の目的

海外駐在員は、日本での生活よりも多様で複雑な生活や勤務のストレスに曝されている。途上国や新興国のような医療支援の脆弱な生活環境では、駐在員自身が独りで、心の健康を保つことを余儀なくされている。研究者らはこのメンタルヘルスのセルフケア能力を高めるためのツールとして、中国上海の邦人駐在員を対象として自己覚知や不調の際の対処、生活情報に関する内容から構成される「海外勤務者ノート」(以下、ノートという)を開発した。これらの研究成果から、赴任前から駐在中、帰国後の期間をとおしてメンタルヘルスケアを考えることが必要であること、帯同家族を含めたケアの必要性も示唆された。本研究では、海外で働く日本人駐在員と家族を含めたメンタルヘルスのセルフストレスマネジメント教育プログラムを開発することを目的とし、いつでもどこからでも自由にアクセスが可能であるモバイルアプリケーションの将来的な開発も視野に入れ、教育ツールの開発に取り組む。

期待される研究成果

本研究の目的は、海外駐在員と家族に向けたセルフストレスマネジメント教育プログラムを開発することである。教育プログラム開発とは、先の研究成果を基盤として、ノートを洗練させ、単身者用と帯同家族用に分冊し発展させること、また、赴任前と帰国後の研修の企画運営(1回/年)とノートの普及活動、及びノートの活用に関する評価である。
本研究により中国上海で働く邦人駐在員とその家族や事業所の規模・事業の種類に関わらず、誰もが、いつでも自由に取り組めるセルフストレスマネジメント教育プログラムにより、メンタルヘルスのセルフストレスマネジメント能力を備えることが期待できる。

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小児看護領域における家族支援シチュエーションインデックスの開発に関する研究

研究代表者氏名 西元 康世
(ニシモト ヤスヨ)
所属 看護学部
看護学科
職位 講師
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K11052

研究の目的

小児看護領域で,看護師が家族看護問題を認識する場面(シチュエーション)をリスト化し,家族支援の介入を始める指標(インデックス)となる家族支援シチュエーションインデックスの開発をすることが本研究の目的である.そのために下記の①〜④の研究を実施する.

  • ① 小児看護領域で,家族看護問題として取り上げられている事例と家族支援の現状を文献検討により明らかにする.
  • ② 小児看護領域に従事する看護師が,家族支援の必要性がある家族看護問題を認識する場面について,看護師への半構成的面接調査により質的に明らかにする.
  • ③ 半構成面接調査と同時に看護師の家族支援コンピテンシー等の特性についての質問紙調査を実施する.家族支援の必要性がある家族看護問題を認識する場面と看護師の家族支援コンピテンシーの関係性を検討する.
  • ④ ①〜③の結果を統合,リスト化し,家族支援シチュエーションインデックスを開発する.

期待される研究成果

現在,家族支援の介入の指標となるものは,家族支援を実施した事例や家族看護学を基盤とする家族看護問題として示されているものが多く,看護師側の視点から家族看護問題を認識する場面を明らかにしたものはみられない.看護師側の視点から,家族看護問題を認識する場面が明らかになることで,多くの看護師が,家族支援が必要な場面を広く認識し,早期の家族支援の実践につながるではなかろうか.

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気づかれにくい文法的類義表現の研究

研究代表者氏名 高橋 美奈子
(タカハシ ミナコ)
所属 人文社会学部
日本学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K00637

研究の目的

類した意味を持つ「類義語」があるように、文法現象を担う文法形式にも、その意味用法や機能において類する点を有する「文法的類義表現」が存在する。日本語文法研究において、同じカテゴリーに属する複数の形式(例:完了相を表す「タ」と「テイル」等)の間に見られる共通点や相違点を明らかにすることは、そのカテゴリーの研究の精緻化のために盛んに行われてきた。これら、同じ文法カテゴリーに属する形式間の類義関係は気づかれやすく、かつ取り上げられやすく、すでにかなり研究が進んでいる。

しかし、異なる文法カテゴリーに属する形式や、品詞を異とする形式であっても、使用条件によっては類義となるという現象も観察される。(例:「~を試みる」の類義表現は「~(し)てみる」と考えられているが、過去の事態「~を試みた」と類義となるのは「~(し)てみた」ではなく「~(し)ようとした」である。)それら、異なる文法カテゴリーに属する形式や、異なる品詞に属する形式の間に見られる文法的類義現象にはどのようなものがあるのか。それはどのような場合に成立するのか。これが本研究の根源的な問いとなる。

本研究の目的は、既によく知られ研究もされている著名な文法的類義表現ではなく、まだよく知られていない、あるいは存在が看過されてきた文法的類義表現を追究することである。そのような文法現象を「気づかれにくい文法的類義表現」と捉えて、日本語の各領域の中から抽出し、整理・体系化するところに、本研究の独自性がある。

期待される研究成果

過去の文法的類義表現の研究でまとまったものとしては宮島達夫・仁田義雄編(1995)『日本語類義表現の文法(上)単文編』・『同(下)複文・連文編』があるが、同書は著名な類語表現を優先的に取り上げ、記述することを専らとしている。また、非母語話者の誤用を扱う市川保子編著(2010)『日本語誤用例辞典』では、非母語話者の文法上の誤用として、カテゴリーの同一性や形態の相似のほか、意味の類似によって生じる例をも挙げており、示唆に富むが、文法的類義表現を正面から扱うものではない。

これらに対し、本研究は、それほど知られていない類義表現、類義であることが看過されてきた表現・形式としてどのようなものがあるかを明らかにし、それらを整理して体系的に示し、個々の表現・形式について記述する。次のような成果が期待できる。

  • (1) 日本語の文法的類義表現の研究の進展―これまで看過されてきた類義表現の存在を明らかにし、その様相を適切に記述する。
  • (2) 日本語文法研究の更なる充実―カテゴリー、形態論の枠を越えた文法的類義現象を精緻に記述することで、文法研究に新たな知見を加える。
  • (3) 日本語教育への応用―気づかれにくい文法的類義表現についての適切な記述は、日本語を教える教員にも有用であり、また教え方や教材に反映させることで、日本語学習者にとっても有益なものとなる。

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成年後見活動における「意思決定支援ツール」の開発

研究代表者氏名 笠原 幸子
(カサハラ サチコ)
所属 人文社会学部
人間福祉学科
健康福祉専攻
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K02230

研究の目的

認知症、知的障がい、精神障がい等のために意思決定能力が不十分な人たちは、自ら意思決定しながら、その人生を自律的に生きているとは言い難い。意思決定能力が不十分な被後見人を支援する後見人の役割は重要である。意思尊重と保護という対極にある理念の中で、被後見人の意思を尊重しつつ最善の利益を追求することが求められる。

そこで、本研究では、1)福祉・医療・法律に関わる専門職から構成されるチームによって、支援現場に密着し、被後見人の意思決定を支える支援の実態を明らかにする、2)異なる背景の専門性をもつ後見人が存在するなかで、被後見人(親族を含む)ならびに支援機関との連携の中で求められている後見人としての役割と専門性を明らかにする、これらの研究から得られた知見より、最終的には、3)後見人が活用できる具体的な「意思決定支援のツール」を作成することを目的とする。

期待される研究成果

  • 1.意思決定支援活動の実態を明らかにし、成年後見人の役割やその専門性の明らかにすることは、成年後見人の専門性の向上に寄与する。
  • 2.成年後見人の専門性の向上に連動して、成年後見活動の社会化に連動する。
  • 3.「意思決定支援ツール」の開発は、意思尊重義務と身上配慮義務の狭間で活動している成年後見人の揺らぎを最小限にし、被後見人のQOLの向上に寄与する。
  • 4.専門職チームによる研究活動から得られた知見や成果物(「意思決定支援ツール」)は、成年後見活動をする者を、真に支援すると考える。
  • 5.上記1~4より得られた知見は、①成年後見人の養成のための研修、 ②成年後見人の適切な活動のための支援、さらには、成年後見人の活動を安定的に実施するための組織体制の構築においても寄与すると考える。

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理科教育の現代的課題の解決を図るマイクロスケール実験による個別実験と授業デザイン

研究代表者氏名 佐藤 美子
(サトウ ヨシコ)
所属 教育学部
教育学科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K02692

研究の目的

児童・生徒の主体的な学習を支援する実験方法としてマイクロスケール実験を取り上げ、教材開発と授業デザインの提案を通して、学校現場への普及を図ることを目的とする。

第1に、マイクロスケール実験による個別実験が適した学習内容の抽出と教材化をり、主体的な学習を支援する実験方法を提案する。次に、思考力の育成に向けた新しい授業展開、詳細な観察による考察の深化、実感を伴った理解の促進等を目指す。

本研究では,特に呈色板やパックテスト容器等の市販品を応用して,より安価で安全な実験器具を用いて学校現場への普及に取り組む。

授業実践では,主に小学校教員志望の学生に,理科の指導力向上を目指して実験を含む授業を多く体験させる。また、小学校・中学校・高等学校の各学校の理科授業で活用できる授業デザインの研究を現場の先生方と実施する。また、ICTを積極的に用いた授業デザインの構築と学校現場への提供も積極的に行う。海外の学校現場における実験授業の視察を通して、日本の教育事情に応じた特色ある教材開発と授業デザインの構築も検討する。

期待される研究成果

研究期間(4年)においては今までの研究の継続を基本とする。マイクロスケール実験の特徴を生かし、同時に次期学習指導要領に対応すべく、教材開発と実践活動並びに新しい授業デザインの構築、研究会を通した活動を行う。マイクロスケール実験の学校現場への普及が進むことが研究成果として期待される。

本研究では 1.教材開発 2.授業デザインの作成 3.授業実践と研究会の活動 4.授業分析と総括 5.実践結果のフィードバック が大きな柱となり、学外者の研究の下で行う。特に理科教育学会における課題研究発表は、10年にわたって継続的に行っているが、本研究の研究期間内においても積極的に成果発表の場として活用する。

研究成果の発表は主に関係学会の論文誌(理科教育学研究、科学教育研究など)への投稿、学会発表(理科教育学会、科学教育学会など)を通して積極的に行い、議論の成果を踏まえ、マイクロスケール実験の普及を図る。

研究成果の社会的還元としては「ひらめき☆ときめきサイエンス」(JSPS主催)を行う。2019年度で4回目の実施となるが、主に中学生と高校生を対象とする実験教室であり,開発した教材実験の実践の場として活用する。

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支配‐被支配関係から捉えるデートDVの実態

研究代表者氏名 上野 淳子
(ウエノ ジュンコ)
所属 人文社会学部
社会学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K03356

研究の目的

従来のデートDV実態調査では、男性の方が暴力行為を多く受けていることが示されてきた。しかし、これらの調査は、暴力行為の頻度のみを尋ね、頻度が高ければデートDVの加害・被害も大きいと判断している点で問題である。暴力の本質は暴力行為そのものではなく、それが生み出す支配的関係性であるため、暴力行為に加え、その心理的結果である支配-被支配関係を把握すべきである。女性の暴力行為は相手へのダメージが少なく、支配-被支配関係の構築に与しない可能性がある。支配-非支配関係に着目すれば、軽く見られがちな精神的暴力が、どれだけ強固な支配-被支配関係の成立に寄与する重大な暴力かも検証できる。研究代表者はこれまで、支配-被支配関係を捉える「恋人による被支配感」項目を作成し、それを用いることでデートDVの真の被害の程度を把握できること、暴力行為を受けるのは男性が多くとも、女性の方が暴力行為で支配されやすく被害の程度が重いと言えることを示した。本研究の目的は、①「恋人による被支配感」項目の信頼性・妥当性を高めて尺度として完成させ、②支配-被支配関係と暴力行為の相互性について交際中のカップルも対象とした実態調査を行い、③ジェンダーとデートDV加害-被害の対応とメカニズムを解明することである。

期待される研究成果

本研究により得られた知見は、臨床での援助や予防教育に効果的に活用することができる。デートDVの実態とメカニズムが判明すれば、一見デートDVのようだがそうではない行為(ex.身体的暴力が頻繁でも軽く叩く程度であり、恐怖心がなく別れたければ別れられる)、巧妙に支配-被支配関係が築かれる見えにくいデートDV(ex.あからさまではないが継続的精神的暴力があり、恐怖心で逃れられない)、たった一回でもそれにより強固な支配-被支配関係が確立される暴力行為などを区別して把握することができ、どのような暴力行為が支配-被支配関係の成立と維持に影響するか明らかにできる。また、「性的暴力以外はむしろ女性が加害者である」という従来の結果を検証できる。女性の暴力行為は頻度が高くても支配-被支配関係の成立に寄与せず、デートDVにおいても女性は被害者となるケースが多いという臨床的知見が支持されるのか、それとも女性は巧妙な暴力行為を駆使して相手を支配するという結果が得られるのかによって、デートDVの今後の予防教育、被害者支援の方向性が左右される。さらに、本研究によって開発される支配-被支配関係を測定する方法は、パワーと支配をめぐるデートDV以外の領域(DV、虐待、ハラスメント等)でも応用可能である。

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司法面接における開示への動機づけを高める要因の研究

研究代表者氏名 田中 晶子
(タナカ アキコ)
所属 人文社会学部
社会学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K03376

研究の目的

虐待被害は子どもが報告することが難しく,非開示の問題として近年司法面接研究において主要な関心事となっている。本研究では,非開示における子どもの動機づけのありように即した働きかけを検討することを目的とし,研究活動を行う。本研究によって得られた成果に基づき,非開示の子どもへの適切な対処に関するガイドラインを作成し,虐待対応にあたる実務家へ実証的知見を提供することを目指す。

期待される研究成果

期待される成果として,①ラポール形成を重視した修正版(RP版)NICHD(米国国立子どもの保健発達研究所; National Institute of Child health and Human Development)プロトコルを参考に,情報開示への動機づけと面接内でのラポール形成が,面接内での開示へ及ぼす影響について実験的に検証し明らかにする。②面接前のサポーティブな連携が,面接内での子どもの開示に及ぼす影響について探索的に検証し明らかにする。③動機づけは高いにも関わらず話せない子どもについて,トラウマ記憶研究における自伝的記憶の概括化の観点から非開示が生じる要因について文献研究により明らかにする。さらに,これらの研究成果を総括し,ガイドラインとしてまとめることにより,子どもの非開示を体系的にとらえる枠組みを提供し,非開示への適切な対処法に関する実証的知見を実務家へ提供することを目指している。

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重度・慢性精神障害者のセルフケア能力強化包括的支援マネジメントモデルの開発

研究代表者氏名 宇佐美しおり
(ウサミ シオリ)
所属 看護学部
看護学科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 20K10821

研究の目的

国内外において重度・慢性精神障害(入院1年以上のBPRS45点以上,行動障害や生活障害を有する患者)のセルフケア能力強化を基盤とした包括的支援マネジメントに関する研究は皆無である。そこで本研究は,重度・慢性精神障害者のセルフケア能力強化を基盤とした包括的支援マネジメントモデルの開発を行う。モデルの開発においては重度・慢性精神障害者のセルフケア能力強化を基盤とした包括的支援マネジメントプロトコールを作成し信頼性・妥当性の検討を行い,プロトコールをもとに介入を行い評価する。

期待される研究成果

本研究を行うことで,①重度・慢性精神障害者の長期入院を減らし,②国内外で初めての重度・慢性精神障害者に対するセルフケア能力強化を基盤とした包括的支援マネジメントプロトコールの開発ができるだろう。さらに③重度・慢性精神障害者に対する多職種協働・病院-地域連携モデルにおける看護の役割・機能が明確となり学際的,学術的意義が高い。

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乳幼児の事故を予防するための母親のコンピテンシー尺度の開発

研究代表者氏名 眞壁美香
(マカベ ミカ)
所属 看護学部
看護学科
職位 助教
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 20K11118

研究の目的

不慮の事故は乳幼児期の死因順位において上位を占め、乳幼児の生命および健康の重要課題であり、より効果的な事故予防対策を検討することが急務である。乳幼児期においては保護者を中心とした事故予防対策行動に焦点が当てられているが、これには子どもの発達を見通すことや環境のリスクをアセスメントするという複雑な能力が求められる。乳幼児の事故を予防するために、母親が危険リスクを適切に判断し、事故予防対策を実践するために必要なコンピテンシー(事故予防実践能力)を明らかにし、実践につながる背景を理解する必要がある。そこで、本研究は乳幼児を育てる母親の事故予防に関するコンピテンシーを明らかにし、尺度開発を行うことを目的とする。

期待される研究成果

乳幼児の事故を予防するための母親のコンピテンシー尺度ができることで、事故予防対策行動につながる能力を査定し、リスクが把握可能となり、必要な支援を考える際の一助となる。さらに、母親の事故予防コンピテンシーが明らかになることで、今後、コンピテンシーが低いものへの支援方法を含めたプログラム開発へとつながる可能性がある。

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