研究代表者氏名 | 山田 綾 (ヤマダ アヤ) |
所属 | 教育学部 教育学科 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 17K04589 |
本研究では、日本の中学校でアクティブ・ラーニングを導入する際に、主体的で深い学びが成立するために「対話的実践」が果たす役割と条件について明らかにすることを目的とする。そのために、以下に取り組む。
本研究では、ダイナミックにカリキュラム開発とアクティブ・ラーニングに取り組む実験校の実践を「対話的実践」を核に分析し、アクティブ・ラーニングを具体的に実現していく視点を明らかにする。取り上げるのは、研究代表者・山田が昨年3月まで校長を務めた戦後生活教育の理念に基づき問題解決的学習過程で授業を展開してきた愛知教育大学附属岡崎中学校や同様の理念を掲げてきた中学校の実践と、実験的にフレネ教育をおこなうクラスを設置したフランスの中等教育プログラムである。
それゆえ、第1に、アクティブ・ラーニングがどのように対話的実践を成立させ、主体的で深い学びを実現できるのかについて検討できる。両実践を比較し、フレネ教育と生活教育の共通点と独自性から、「対話的実践」の役割や意義、課題と条件を明らかにすることができる。そこからアクティブ・ラーニングの可能性と課題を明らかにできる。
第2に、「対話的実践」を成立させるには、教科担任制である中等教育ではカリキュラム・マネジメントが重要になるが、対話的実践の成立とカリキュラム・マネジメントの関係を明らかにすることができる。 これらにより、2017年3月告示の学習指導要領おいて求められている「主体的で対話的で深い学び」とは何か、そしてどのような課題があり、どのような条件が必要になるのかを実践的かつ原理的に明らかにすることが期待できる。
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研究代表者氏名 | 原 順子 (ハラ ジュンコ) |
所属 | 人文社会学部 人間福祉学科 健康福祉専攻 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 17K04282 |
聴覚障害ソーシャルワークの専門性を担保したソーシャルワーカーを養成するためのプログラムを開発・検証することを目的として、研究をおこなう。
研究代表者はこれまでに、聴覚障害者の特性やさまざまな実態の理解に必要な「ろう者学」の修得の重要性や、聴覚障害ソーシャルワーカーに必要なコンピテンスを抽出し、聴覚障害ソーシャルワークの専門性を構築している。しかし、これらの専門性を修得するプログラム研究は未だなく、社会福祉士、精神保健福祉士といった国家資格のカリキュラムにも含まれていない。そこで海外における聴覚障害ソーシャルワーカーの養成に関する情報収集ならびに第一線で活躍している国内外の聴覚障害ソーシャルワーカーへの調査から、専門性を担保した聴覚障害ソーシャルワーカーの養成プログラムを開発し、またその検証をおこなう。
聴覚障害者を対象とする聴覚障害ソーシャルワーカーの養成プログラムが開発されれば、生活上の問題を抱える聴覚障害者への相談支援の質が担保されることになる。特に文化モデルアプローチ、Anti-Oppressive Social Work、Cross-Cultural Social Work、Critical Social Work 理論を修得した聴覚障害ソーシャルワーカーを養成すれば、ストレングス視点での介入ができ、聴覚障害者をエンパワメントすることができると考える。これらの理論がソーシャルワーカーにとって重要であることを検証することで、社会福祉士、精神保健福祉士の養成教育にも汎用することができる。
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研究代表者氏名 | 松山 雅子 (マツヤマ マサコ) |
所属 | 人文社会学部 日本学科 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 18K02620 |
国語科はことばで考える方法を学ぶ教科である。表現されたものの考え方や思いを対象とする。それ故、プロの過不足ない文体で表現された文学のことばは貴重な学びの根源だが、対話型・協働型の方法論が真に意味を持つのは、対象テクストの質を分析しえた教師の力量があってこそである。
わが国の文学教育の課題の一つが、この教材分析と方法論のかかわりの希薄さにあるとすれば、学習指導要領等に方法論的示唆を得た源泉の一つイギリス国語科教育で、教師が長年にわたり留意してきた両者の必然性に根差した文学の学習指導プログラムを分析・考察することが、実践理論的・方法論的基盤づくりの一助となると考える。
具体的には、初等から中等への連続期(小学校高学年から中学校1年)に焦点を当て、内ロンドンに位置する小・中国語科教科教育センター(Centre for Literacy in Primary Education:CLPE / English & Media Centre:EMC、ともに旧内ロンドン教育局時代から存続し、全国的、国際的影響力をもってきた現職教育研究所)の文学を軸にしたリテラシー教授プロジェクトの内実を事例として検証を試み、教師教育の観点から、先の問いに迫るものとする。
初年度2018年度には、当該諸機関との情報交流、わが国の改訂学習指導要領が重視する、ことばによる「見かた・考え方」の学びと文学との関係性の検討、多言語文化社会イギリスの国語教育基盤理論として多大な影響を与えてきG.Kress(2010)Multimodality:A social semiotic approach to contemporary communication. (Routledge)を、『マルチモダリティ-今日のコミュニケーションにせまる社会記号論の試み』(溪水社、2018.12.10)として監訳、刊行した。
以上の研究基盤に基づき、続く2年間では、
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研究代表者氏名 | 坂口 京子 (サカグチ キョウコ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 准教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 18K10525 |
現在、わが国の高齢化率は28.1%(2018年9月)となり、超高齢社会に伴って認知症者も増加している。認知症者の社会施策としては、予防・維持改善が基本におかれ、治療の場は、病院や施設から在宅での療養生活へと移行しつつある。認知症は慢性的に進行し、生活療法が重要であるため、在宅における家族の見守りや介護が重要な位置を占めている。しかしながら日本の世帯状況は、核家族化、高齢者夫婦世帯が多く、老々介護状況にある。高齢者でありながら、在宅で配偶者の認知症者を支える家族は重要な役割を担うことになるが、高齢介護者の睡眠問題については、あまり議論がされておらず、先行研究も僅かである。そこで、本研究は、認知症者を在宅で介護を行っている高齢介護者の睡眠に焦点を当て、睡眠の実態の把握と、睡眠改善に向けた教育プログラムを構築・実施し、高齢介護者の負担を減らす目的である。本研究者の先行研究では、高齢介護者の約8割に睡眠障害が生じていることが明らかにされ、睡眠障害の誘因が認知症者の介護そのものによるものではなく複雑に要因が絡み合っていることも判明した。本研究はさらに、研究の幅を広げ、睡眠実態と要因の解明、教育ケアプログラムの有用性について明らかにする。 第1段階研究:認知症を介護する高齢介護者の睡眠に関する調査研究を実施。第2段階研究:高齢介護者の睡眠の質改善に向けた睡眠教室(ケアプログラム)の構築と実施及び有用性について。以上が研究目的である。
本研究の学術的・社会的な成果として、認知症者の睡眠の研究は多く発表されているが、高齢社会でありながら、高齢介護者の睡眠の実態は明らかにされていない。一般には高齢者は、加齢による睡眠構造の変化から約3割が睡眠障害を持っていると言われている。睡眠障害は転倒の危険、慢性疾患の悪化、精神疾患の危険、死亡率の増加など、高齢者にとっては睡眠の質を高めることが重要な課題の一つと言える。高齢者でありながら、生活困難である認知症者を介護する場合、さらに睡眠障害のリスクは高い。①認知症を介護する高齢者の睡眠についてさらに研究が進むと、睡眠医学の発展に関与する。②睡眠障害の実態の把握は、家族看護の問題点や重要性を再認識することができる。③また睡眠改善に向けた教育プログラムの構築・実施は、高齢介護者の声に耳を傾けることなり、高齢介護者の理解に繋がる。④教育プログラムの実施・評価・発展により、高齢介護者の睡眠の質を高めることとなり、健康維持、精神的安静をもたらし、高齢介護者のQOLや介護力の維持向上に繋がる。認知症者は介護者からの受ける影響は大きいため、介護者の睡眠改善は、しいては認知症者自身のQOL改善が図れるものと思われる。
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研究代表者氏名 | 松本 珠希 (マツモト タマキ) |
所属 | 教育学部 教育学科 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 18K11086 |
月経前症候群(PMS)は、月経前の黄体期に繰り返し出現する心身不快症状の集積である。PMSは女性なら誰もが経験する症状であり、生命に直接関わるような重大なものではないため、軽視されてきた感もある。しかし、PMSが思春期から始まり、女性の健康と社会生活に少なからぬ影響を及ぼすことも考慮すると、女性自身が心身の変化について認識するとともに症状をうまくコントロールし、Quality of Lifeの維持・向上が図れるようなセルフケア行動をとることが必要と考えられる。本研究では、軽症から重症までPMS症状レベルが異なる有経女性を対象に、PMSを知る第一歩となるセルフモニタリングにより、「月経周期に伴う心と体のリズム」を知り、継続可能な健康生活習慣を実践することにより、PMS症状が緩和するのか否かについて検討する。PMSセルフモニタリングとして、紙媒体による症状記録用紙の使用に加え、PMSスマートフォンアプリの開発と導入を試みる。また、セルフモニタリングを含め、健康生活習慣形成に向けての小さな変化を続けるというセルフケア行動がPMS症状の緩和に繋がる場合、その背景には、生命神経系ともよばれ、心と体をつなぐルートである自律神経系が関与するのかについても探究する。
PMSは、生物学的な要因だけでなく、その女性の性格傾向や身体症状に発展しやすい心理反応、偏った食生活や運動不足、喫煙などの不適切な生活習慣、家庭環境や職場におけるストレスなど、女性を取りまく社会環境の変化も症状の発現と憎悪に影響する。その意味で、PMSは「現代女性の新たな生活習慣病」といえるのかもしれない。PMSを発症する性成熟期女性の大半が利用しているスマートフォンの導入を試みる本研究は、手軽に日々のバイオリズムの変化を認識し、目に見えない心身のストレスを自律神経活動動態で視覚化できることから、PMSに対する理解を深め、セルフケアへの関心と実践力を高めることができる可能性を有している。加えて、今まさに、日本が目指す「女性の活躍」に相応しい新たなヘルスプロモーション研究を担う役目を果たすことができると確信している。
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研究代表者氏名 | 藤原 尚子 (フジワラ ナオコ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 18K10297 |
先進国において、日本は大腸がん死亡率が年々増加しており検診受診率は男女共に低いことが明らかになっている。国外では、がん死亡率の減少を目的とした政策として、組織型検診(Organized Screening)が行われ、その効果が報告されている。しかし、日本は組織型検診体制が未整備の段階である。したがって、大腸がん検診の受診行動サポートにおいては、受診者および非受診者に対するICT(Information and Communication Technology)を用いたインタラクティブな受診勧奨である介入型啓発活動を行い、受診行動につながるようサポートシステムの構築をしていくことが重要である。本研究では、大腸がん検診における組織型検診(Organized Screening)をめざした受診行動サポートシステムの構築を目的とする。
本研究において、大腸がん検診の受診者および非受診者に対して行う介入型啓発活動として、ICTを用いてインタラクティブな受診勧奨(コール)・検診1年後の再勧奨(リコール)による受診行動と受診率向上の効果について明らかにすることで、受診者の特性を考慮した検診の受診行動へのサポートが実施できる。食の見直し、定期的な運動など健康への意識は高まっているが、まだまだ予防医療に対する意識が低いため、1)スモールメディアであるビデオや印刷物およびICT をツールとした受診勧奨の効果、2)アクセス向上などの費用以外の障害の除去の効果、3)電話や面談などの1対1の教育の効果を検討し評価することは、組織型検診(Organized Screening)の確立をめざし、受診者へのシームレスなサポートにつながると考える。これまで研究代表者らは、大腸がんOrganized Screeningに向けた受診行動支援プログラムの開発によるプログラムを活用し、得られた結果を基に大腸がん組織型検診に向けた受診行動支援プログラムの有効性の検証へと展開してきた。本研究では、これまでの研究成果をもとに大腸がん検診の受診行動をサポートできるプログラムを導入したシステムを実用化することにより、独自性の高いシステムの開発が可能となる。また、このシステムを活用し大腸がん検診の受診行動を完遂することは、受診者のみならず医療従事者の他、関係市町村にとっても将来的に受診率向上への大きなメリットになると考えられる。さらに、全国的に新しい対策となる大腸がん検診の受診行動における介入型システムのマネジメントが期待できるとともに、このシステムの構築により大腸がんの受診率の向上と死亡率の低下が期待される。
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研究代表者氏名 | 藤澤 盛樹 (フジサワ セイキ) |
所属 | 看護学部 看護学科 |
職位 | 講師 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 18K10411 |
小児救急医療機関において子育て支援を促進するための方略をモデル化し実践へ適用することを目的としている。
社会的な子育て支援のとりくみが小児救急医療機関に拡充することで、子育て支援の必要な親子や子育て支援を要望する親など、誰もが小児救急医療機関受診を契機に子育て支援へつながる機会を提供でき、セーフティネットとしての役割にも期待がもてる。本研究は、子育て支援に関する既存の社会資源と切り離した子育て支援モデルを開発するのではなく、既存資源の応用を探求しながら、親が利用しやすくニーズに応えられること、小児救急医療機関として効率的で実行可能であることの双方を重視した子育て支援プロモートモデルの開発を目指している。
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研究代表者氏名 | 永田 麻詠 (ナガタ マヨ) |
所属 | 教育学部 教育学科 |
職位 | 准教授 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K02849 |
本研究の目的は、性の多様性をめぐる課題にことばの問題があることを確認し、小学校における性の多様性の包摂を国語科教育として取り組むこと、性の多様性の包摂をめざすことが、性的マイノリティ支援ならびにすべての学習者への言語力育成につながることから、新たな小学校国語科教育カリキュラムをインクルーシブ教育の一環として開発することである。
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研究代表者氏名 | 鈴木 浩太 (スズキ コウタ) |
所属 | 教育学部 教育学科 |
職位 | 講師 |
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研究種目 | 基盤研究(C) | 研究課題番号 | 19K03304 |
注意欠如・多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:ADHD)児の病態は、「反応抑制」、「作業記憶」、「持続的注意」、「遅延嫌悪」、「時間感覚」、「情動調節」など、多様な神経心理学的指標を用いて理解されてきた。他方、多様な指標が整理されていないので、臨床で活用することは困難である。本研究では、ADHD児に関わる神経心理学的指標を包括的に取り入れたアセスメントバッテリーを開発する。
先行研究では、単一の機能に基づく神経心理学的指標からADHD児の判別を試みるものがほとんどであり、ADHDを判別することに限界があった。本研究では、多様な神経心理学的指標がADHDに関わると考え、異なる神経心理学的特徴をもつADHDのサブタイプを仮定して研究を推進し、アセスメントバッテリーを開発する。ADHD児に対する支援法や薬物療法が提案されてきたが、どの方法でも、効果のあるケースとないケースが報告される。本研究の成果を活用して、サブタイプ別の支援方法が提案されていく可能性があり、エビテンスに基づく支援・治療を個人特性に合わせて提供するシステムの構築に貢献することが期待できる。
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